奇妙な姿の臭い花!ガガイモの種類と育て方

ガガイモ科の多肉植物とは

ガガイモの仲間は日本にも自生しており、夏の季語にもなるほど古くからなじみのある植物です。これはガガイモ科ガガイモ属の植物で、多肉植物ではないつる性の植物です。
多肉植物でガガイモといえば、主にガガイモ科フェルニア属かガガイモ科スタペリア属です。これらの植物は、とても面白い形状で、素晴らしく魅力的な姿をしてます。そしてガガイモ科の植物の最大の特徴ともいえる、奇怪な姿の臭い花が咲きます。
スタペリア属もフェルニア属も、品種によって夏型と春秋型とがありますが、どちらのタイプも真夏の暑さと蒸れには弱く冬の寒さも苦手なため、春秋型と同じ管理で問題ないかと思います。スタペリア属とフェルニア属は多肉植物として育て方が似通っているので、ガガイモ科としてまとめてご紹介します。

ガガイモ科の多肉植物の種類

スタペリア属とフェルニア属は、枝分かれさせながらとげのある棒状の茎を伸ばすものが多く、姿がよく似ている品種が多いです。とげといってもほとんどの品種については柔らかいとげで、手で持っても刺さるほどの硬さはありません。代表的な品種をいくつかご紹介します。

阿修羅(Huernia pillansii)

1~2センチくらいの太さの茎を長く伸ばして成長します。茎には細いとげが密に生えており、太い毛のようにも見えます。このとげはとても柔らかく、茎を指でつまんでも刺さることはありません。茎はあまり分岐せず、根元から子株を吹いて群生します。山嵐の孫という名前で流通していることもあります。阿修羅はフェルニア属で、夏型の多肉植物ですが、強い日差しを嫌うので、半日陰などで育てましょう。

鹿の頭(Huernia penzigii)

阿修羅のように棒状の茎を伸ばします。茎は五角形で、太く短いとげが規則正しく並びますが、阿修羅のように密には生えません。とげというよりも尖った突起といったイメージで、弾力がある先端は触ってもいたくありません。茎は伸びてもせいぜい10センチ程度なので、群生してもそれほど大きな茂みにはなりません。鹿の頭もフェルニア属で、夏型に分類されています。

牛角(Stapelia variegata)

鹿の頭とよく似ていますが、こちらはスタペリア属です。鹿の頭とどう違うかといわれると、見た目はほぼ同じなのでよくわかりません。とげの基部が下から上へ流れているというかのこぎりの歯のようになっているのが牛角と思っていますが、もしかしたらただの個体差かもしれません。牛角はスタペリア属ですが、夏型に分類されているようです。

黒犀角(Stapelia flavirostris)

四角柱のような茎を立ち上げ、それぞれの角に、ほぼ等間隔で短いとげを上向きにつけながら伸びていきます。時々分岐もしますが、あまり込み入った分岐はしません。とげは固く鋭いものの、短いとげなので、指で触ってもちょっと引っかかるくらいの感じで、深々と刺さるほどではありません。黒犀角はスタペリア属で、こちらもやはり夏型に分類されているようです。

ガガイモ科の多肉植物の育て方

水やり

フェルニア属もスタペリア属も、ほかの多肉植物に比べてやや水を好みます。同じガガイモ科の多肉植物でも、プセウドリトス属は乾燥を好むので、育てる際には同じガガイモ科だからと誤認しないように注意が必要です。
春と秋はよく成長し、よく水を吸い上げるので、土が乾いたら鉢底から流れるくらいたっぷりと与えます。
夏は育成が緩慢になり水の吸い上げも悪くなりますし、蒸れるとあっという間に枯死してしまうので、月に数回、涼しい時間帯に少量の水を与える程度にとどめます。フェルニア属とスタペリア属は、あまり乾燥させると秋以降の育成が悪くなるので、完全断水はしません
冬は育成が止まるためほぼ断水しますが、完全断水すると細根が枯死して春以降の育成が悪くなるので、暖かくなりそうな日を狙って、月に1~2回程度は水を与えるようにしてください。

肥料

春から秋にかけて、緩効性の固形肥料を少量与えるか、薄めた液体肥料を与えると育成がよくなります。多肥は好みませんので、植えつける際に緩効性の固形肥料か有機肥料を混ぜ込んでおけば、次の植え替えまでそのままでも大丈夫です。

ガガイモ科の多肉植物の日常のお手入れ

日当たり

明るい場所を好みますが、ほとんどの品種がほかの植物の陰などで育つので、直射日光に当たると葉焼けすることが多いです。夏場は遮光ネットなどで2~3割遮光してやった方が調子がいいです。あまり日当たりの悪いところだと徒長しやすいので、春と秋はよく日に当ててあげましょう。また、日当たりが悪いと花の付きも悪くなるので、日当たりは重要です。

風通し

ガガイモ科の多肉植物も、ほかの多肉植物同様蒸れに弱いです。真夏は水やりをひかえて、なるべく風通しがよく涼しい場所で管理してください。日本の夏は原産地の南アフリカ周辺に比べるとやや気温が高く、雨の量がかなり多いと言えます。ある程度遮光して安心していても、実際には風通しが悪く根腐れしてしまうこともあります。なるべく水はけのよい土を使用し、風通しの良いところに置いて、土の中にいつまでも水分が残っていないようにしてください。

植え替え

フェルニア属やスタペリア属の多くは、棒状の茎を根元近くで分岐させながら群生することが多いので、株が込み合ってきたり、排水が悪くなってきたり、植えつけて2年以上経過している場合は植え替えをした方がよいでしょう。
土から抜いたら古い根を落として一回り大きな鉢に植え付けます。植え替えの数日前から水を切っておき、植え替え後は数日経過してから水を与えるようにします。植え替えの適期は春か秋で、込み合った株は植え替えのタイミングで株分けするとよいでしょう。

ガガイモ科の多肉植物の増やし方

挿し木

フェルニア属やスタペリア属は挿し木で増やすことができます。挿し木の適期は春と秋です。分岐する品種の場合は、分岐した根元のくびれた部分を軽くひねってやれば簡単に外れるので、その部分を挿し穂とします。分岐しないものついては、長く伸びた茎を先端から適当な長さに切り、切り口を乾燥させて挿し穂とします。
切り口をよく乾燥させた挿し穂を水はけのよい土などに転がしておくと、下になっている部分から発根します。さらにそのまま置いておくと、新芽が上の方に伸びていきます。
くびれの部分をひねり取った場合は、あまり難しく考えずに切り口を適当に挿しておいても発根してきます。

株分け

棒状の茎を伸ばす品種は、地面に近い部分で分岐して群生することが多いので、株が込み合ってきたら植え替えのタイミングで株分けするとよいでしょう。
株分けする際も植え替えと同じように、数日前から水を切っておき、好みの大きさに株を切り分けて植え直します。あまり小さく分けてしまうと植えつけ後の成長が遅くなるので、あまり小分けしてしまわない方がいいです。植えつけ後は数日経過してから水やりを再開します。適期は春と秋です。

実生

ガガイモの仲間の多くは、毒々しい色の奇妙なヒトデのような花を咲かせます。そしてほとんどの品種は、程度の差こそあれ花が臭いです。あるものは腐肉のような、あるものはドブのような、あるものは糞便のような、いい匂いの花は見たことないかもしれません。その花は、ハエなどが花粉を媒介するため、花の時期は外に置いておいた方がよいかと思います。自家受粉することもあるようですが、しないと思っておいた方がよいでしょう。ほかの品種などとうまく受粉すると、細長い胃袋のような実ができ、完熟すると豆のサヤのように割れて中から種子が出ます。種子には綿毛がついていて、風で遠くに飛ばされるシステムなので、飛んでいく前に収穫しましょう。
種を湿った土の上に置いて湿度を保っておくと、数日から1週間程度で発芽してきます。発芽後しばらくは水を切らさないようにしておきましょう。数か月経過したら親と同じ管理でかまいません。苗が小さいうちは、暑さや寒さ、乾燥にも弱いためある程度成長するまでは、室内の窓際などで管理する方が無難です。

ガガイモ科の多肉植物の寄せ植え

フェルニア属とスタペリア属は、ほかの多肉植物よりやや水をほしがります。また、株元で分岐して群生するものが多いので、ほかの植物との寄せ植えには不向きです。できれば単体で楽しみましょう。

まとめ

ガガイモ科の植物は多肉植物ではないものも含めると、約250属2700種にもなるといわれますが、多肉植物に分類されるものはそう多くはありません。中でもフェルニア属とスタペリア属は、奇妙な姿とさらに奇妙な花で人気があります。寒さに弱く、夏場の群れにも弱いところはありますが、基本的には丈夫で育てやすい植物です。いろいろな種類がひとくくりにされて「ビザールプランツ」という名前で売られていることもあります。「ビザール」はフランス語で、「奇妙な」「風変わりな」という意味です。フェルニア属もスタペリア属も、まさにビザールな姿なので、どこかで見かけたらまずはその姿に驚いてください。

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