ムーミン谷からやってきた!?アボニア・パピラケアの育て方

アボニア・パピラケアの基本情報

分類:スベリヒユ科アボニア属
学名:Avonia papyracea
原産地:南アフリカ・ナミビア

アボニア・パピラケアの特徴

アボニア・パピラケアはスベリヒユ科の植物だそうですが、日本のスベリヒユとは全く似ても似つかない様相です。でもよく考えたら、日本のスベリヒユも多肉質なので、大きなくくりでいえば多肉植物仲間ってことになるのかもしれません。

初めてアボニア・パピラケアを見たときの衝撃はすごかったです。2号鉢に5センチ程度のパピラケアが3本植えられていたのですが、それはもうニョロニョロそのものでした。ニョロニョロご存知ですか?あのムーミンに出てくる白いツクシみたいなやつです。ニョロニョロは目もあれば手もあるので、植物ではないようですが、実際に自然界に存在するとしたら、それはおそらくこんな感じであろうという姿でした。

アボニア・パピラケアは、直径7~8ミリ程度の太さの植物で、表面が白い鱗に覆われています。なぜ鱗なのか、それはもう本人に聞いてみるしかないのですが、おそらく自生地の環境によるものだと思われます。アボニア・パピラケアは南アフリカのナミビアが原産地です。ここは1日も雨が降らない月が年に数ヶ月あり、1年間トータルしても、降雨量が400ミリにも満たないほど乾燥した地域です。この乾燥した状態と強い日差しから茎の表面を守るため、葉が乾いた鱗状に変化し、茎からの水分の蒸散を防いでいるものと推測します。
後でわかったことですが、最初に出会ったパピラケアは、まだ幼苗だったようです。成長と共に鱗をまとったひも状の茎が、途中で幾度も枝分かれしながら伸びていきます。その様子はまるで蛇の様で、実際アボニア・パピラケアの和名は「白蛇殿」です。多肉植物やサボテンの和名には、よくこの「殿」という字が使われますが、なぜなんでしょう?ただ、和名があるということは、日本での栽培履歴はそこそこあるのかもしれません。その割には情報は少ないようですが。

アボニア・パピラケアの育て方

用土

水はけの良い土を好みます。乾燥には強いようなので、あまり水持ちの良い土ではうまく育ちにくいかもしれません。市販のサボテン用の用土で大丈夫そうです。

水やり

多肉植物の分類としては、冬型になるようです。春と秋は土が乾ききってからたっぷりと与えていますが、それでも週に1回程度の水やりです。夏と冬はさらに回数を減らし、一年を通して他の多肉よりも乾燥気味に管理しています。

肥料

市販のサボテン用の用土に植え付けているので、元肥として入っている肥料だけです。
特に追肥しなくても大丈夫そうですが、秋に少量の固形肥料を与えました。

置き場所

蒸れに弱いので、高温多湿を避け、日当たりと風通しの良い場所に置きましょう。一年を通してなるべく乾かし気味に管理するため、屋外に置く場合は、雨の当たらない場所に置いてください。

夏の管理

自生地の夏は、気温が15~30度で、雨も月に10日以下しか降りません。降水量も、覆い付きで70ミリ前後です。このことからも、高温にはある程度耐性があっても、多湿には耐性がないことが推測されます。日本の夏は30度を超えるのが当たり前で、雨の量もナミビアの倍くらいになります。
日本の夏は湿度が高い季節なので、極力水やりはひかえましょう。完全断水では細根が傷む可能性もあるので、気温が下がり始める夕方ころに、翌朝までに乾く程度の水を与えています。置き場所は、できるだけ風通しがよく、雨の当たらない場所を選びましょう。真夏はある程度遮光して、西日を避けても良いかもしれません。
高温多湿の時期の管理が不安な場合は、室内に取り込んで、窓際のレースのカーテン越しの日差しで管理するのも良いでしょう。その場合は、エアコンの風が直接当たらない場所で、できるだけ日が当たるようにしてください。水やりは、土が完全に乾ききったのを確認し、数日経過したくらいでかまいません。

冬の管理

ナミビアの冬は乾季にあたり、雨はほぼ降りません。気温は5度前後から20度前後なので、日本の冬に比べればだいぶ暖かいです。こうした気候を考えると、最低気温が10度を切るようになったら、完全断水しても問題なさそうに思えます。ただやはり完全断水で細根を痛めてしまうと、気温が上がってくる前に株が弱ってしまいそうなので、月に数回程度は軽く水を与えた方が良いように思います。
現状冬は室内に取り込み、5度以上の温度が維持できる窓際の明るい場所に置いています。日中はエアコンで暖かく、空気も乾燥しているので、週に1回程度は軽く水を与えています。室内の取り込んでおけば、夜でも氷点下まで気温が下がることはないので、屋外で越冬させるよりは枯死のリスクは少なそうです。
分類的には冬型ですが、やはり真冬の寒さは自生地と比べ物にならないので、冬型=冬に育つと思い込まず、自生地の環境を考えて管理を決める方が良いでしょう。実生苗がたくさん出回るようになると、日本国内の気候風土にある程度順応した株が出てくるとは思いますが、それでも極端に寒さや蒸れに強くなることはないので、目安としては自生地の環境に合わせてやる方が良いと思います。

アボニア・パピラケアの増やし方

実生で増やす

アボニア属は自家受粉するようです。アボニア・パピラケアは、ある程度株が成長してくると、伸びたニョロニョロの先端に白い花を咲かせます。この花が受粉すると、そこに実ができ、完熟すると種がこぼれます。種は非常に小さいので、飛ばしてしまわないように注意してください。
種は赤玉土の細粒などの上に蒔き、種が飛ばないように霧吹きなどで灌水した後は、腰水で管理します。多肉植物やサボテン全般に言えることですが、小さな実生苗は、乾燥に弱いということを覚えておきましょう。親と同じ管理では、あっという間にしぼんでしまいます。蒸れに弱い植物を、湿度を保ちながら維持するというのが、多肉植物やサボテンを実生するときの一番難しいところです。腰水で管理すると、どうしてもカビや苔が生えやすくなりますし、乾燥させるとあっという間に枯れてしまいます。腰水にして、風通しの良いところで管理し、ベンレートなどで防カビしながら育てましょう。

挿し木で増やす

アボニア・パピラケアは、成長と共に枝分かれしていきます。この分かれた部分を切り離して土に挿すと、やがて発根してきます。根元に近い部分を途中で切ってもいけそうな気はしますが、やり方が悪いのかそういう性質なのか、途中で切ったものは発根しませんでした。枝分かれした節の部分で、なおかつ先端に近い方の若い枝の方が成功率が高いようです。
赤玉土や鹿沼土の細粒に、数日間切り口を乾かした枝をさし、あとは適度な湿度を保ちながら挿し穂が動かないように管理します。軽く引っ張って抜けなければ発根していますが、できるだけ動かさずに我慢しましょう。

まとめ

アボニア・パピラケアは、植物かどうかも疑わしい様相ですが、難しい世話をしなくてもすくすく育つ丈夫な植物です。あまりたくさん出回っていないで、なかなか入手するのが難しいかもしれません。それだけにマニア心をくすぐるニクいやつです。また、自家受粉するので、実生好きの方もきっと満足されると思います。ネットで探すとわりとあちこちに出ているので、小さな株を買うもよし、種を買って実生に挑戦するもよし、それぞれの好みで楽しめます。珍しい多肉植物をお探しの方、候補のひとつとしてこのニョロニョロを入れてみてはいかがですか?

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