その立ち姿はもはや工作物!クラッスラ大型緑塔の育て方

クラッスラ・大型緑塔の基本情報

分類:ベンケイソウ科クラッスラ属
学名:Crassula pyramidalis
原産地:南アフリカ(ナマクアランド周辺)

クラッスラ・大型緑塔の特徴

クラッスラ・大型緑塔の最大の特徴といえば、やはりその姿でしょう。おおよそ植物とは思えないような、幾何学的かつ人工的な姿をしており、なぜこのような姿をしているのか、何の目的があってこの姿を選んだのか、謎は尽きません。
クラッスラ・大型緑塔は、単純にクラッスラ・緑塔の大型版ですが、形状や育て方はほぼ同じで、緑塔が太くなっただけのものです。太いといっても極端に太くなったわけではなく、鉛筆くらいの緑塔がひとまわり太くなったと思ってください。太くなってさらに背が低くなった、ダルマ緑塔というものもありますが、そちらも育て方は同じです。
学名のpyramidalisは、「ピラミッド型の」という意味で、茎の先端部がピラミッド状になっていることからこの名が付いたようです。日本はピラミッドになじみがないので、緑塔の方がイメージに合っている気がします。成長してくると、この密に重なり合った葉をこじ開けるようにして脇芽が出て枝分かれしていきます。また株の根元から子株が出てきて群生するように成長していきます。
成長はとても遅いですが、株が充実してくると、茎の先端、ちょうどピラミッドの部分に、白い花を咲かせます。ほんのり甘い香りがして可愛らしいんですが、先端にたくさんの花が咲くので、ちょっと気持ち悪い感じもします。
環境に対する適応力が強いので、あまりわがままを言わずに明るい場所ならどこでもよく育ちます。蒸れに弱いので、夏の水やりには注意が必要です。

クラッスラ・大型緑塔の育て方

用土

自生地は乾燥していて、小石などが混じった荒れた土地なので、水はけの良い土を好みます。市販のサボテンや多肉植物用の用土でかまいません。

水やり

育成期の春と秋は、用土が乾いたら鉢底から流れるくらいたっぷりと与えます。夏と冬は水やりの頻度を減らして乾かし気味に管理します。

肥料

植え付けるときに緩効性の化成肥料を混ぜ込んでおくか、育成期に薄めた液肥を与えるとよいでしょう。

置き場所

基本的には日当たりの良い場所が好きですが、徐々に慣らしていくと、室内の窓際くらいの明るさでも問題なく育ちます。あまり日が当たらない場所に置くと、徒長して全体的に細くなります。夏の蒸れに弱いので、夏は風通しの良い場所に置いてください。

夏の管理

自生地の夏は、気温が15~25度程度で、雨はほとんど降りません。日本の感覚では、とても心地よい爽やかな気候です。南アフリカというと、どうしても暑いイメージを抱きがちですが、赤道からの距離は沖縄や九州南部とそう変わらないので、季節が逆になるだけで、極端に暑くなることはなさそうです。
クラッスラ・大型緑塔は、夏の暑さが大の苦手です。クラッスラの仲間は、寒さよりも暑さが苦手のものが多く、夏の蒸れにはとても弱いです。屋外で夏越しさせる場合は、できるだけ風通しがよく雨の当たらない場所に置き、ある程度遮光した環境で管理します。真夏の直射日光に当たると葉焼けして枯れる原因になるので、風の通る木陰などで涼しくしてあげると調子がよさそうです。夏の間はほぼ断水し、水やりも細根の枯死を守る程度にとどめます。水やりは、夕方以降気温が下がってくる時間帯に行いましょう。可能であれば、扇風機などで風を送り、蒸れないように夏越しさせてあげましょう。

冬の管理

自生地の冬は、気温が10~20度程度で、雨の多い季節です。雨が多いといっても1ヶ月の降水量は100ミリに満たないので、関東の10月下旬くらいの気候に近い感じです。クラッスラ・大型緑塔は、夏の暑さに比べると冬の寒さにはやや耐性があり、0度くらいまでは耐えるようです。霜に当たると枯れてしまうので、暖地以外では屋外での越冬は難しいかもしれません。
冬は育成が止まるので、水の吸い上げが減ります。そのため水やりはほぼ必要なく、断水気味に管理します。完全断水すると細根が枯死したり、株そのものが乾燥しすぎてしまうため、月に1~2回程度、暖かくなりそうな日の午前中に、土の表面がさっと濡れる程度に少量の水を与えるか、霧吹きなどで葉水を与えるようにします。

クラッスラ・大型緑塔の増やし方

実生で増やす

クラッスラ・大型緑塔は、自家受粉するようです。とても魅力的な形状の植物なので、他のクラッスラとの交配によく使われるようで、興味のある方は多品種との交配を試してみても面白いかもしれません。
実生する場合は、湿らせた小粒の赤玉土など、通気性の良い土に種を蒔き、湿度を保っておくと数日から1週間程度で芽が出ます。ただ、クラッスラの仲間の多くは、種が非常に小さく扱いにくいです。だいたい0.1ミリ前後の大きさしかないうえに、もともと成長の遅い品種なので、実生はとても難易度が高いです。過去何度か挑戦してみましたが、秋に種を蒔き、冬に成長が止まり、春に少し大きくなって、夏にたくさん消えていき、運が良ければ一部が残るというパターンで失敗しています。
細やかな管理をすれば生存率が上がるとは思いますが、増やすなら子株を取るか、株分けする方が圧倒的に簡単です。

挿し木で増やす

クラッスラ・大型緑塔は、あちこちから脇芽を出して枝分かれしていきます。挿し木で増やす場合は、ある程度成長した脇芽を挿し穂とするか、伸びすぎた茎を剪定して仕立て直したときの穂先を挿し穂として使用します。
脇芽を使う場合は枝分かれした根元から、茎を切って挿し穂にする場合は、少なくとも先端から3~4センチ以上の長さは必要です。切り口は日の当たらないところで数日間乾かし、川砂や赤玉土などに竹串などで穴を開けて挿します。そのまま数週間から1ヶ月程度置いておくと根が出ますので、根が出たころに水をやり始めます。適期は9~11月頃ですが、根が出るまでの期間を考えると、10月くらいまでには済ませておいた方がその後の管理が簡単になります。

株分けで増やす

クラッスラ・大型緑塔は、株元から子株を出して小さな群生を作ります。鉢がいっぱいになってきたら、植え替えのタイミングを利用して株分けを行いましょう。掘り上げて枝分かれしている部分をカッターなどで切り分けますが、このときすべての株に根が付くように丁寧に切り分けます。切り口は数日間乾かしてから植え付けますが、このとき古い根や傷んだ根はある程度切り取っておきましょう。
土に植え付けたら1週間程度養生させてから水やりを開始します。株分けを行う場合も、やはり育成期の秋頃に行う方が、株分け後の経過が良いような気がします。

まとめ

クラッスラ・大型緑塔は、比較的丈夫で育てやすい品種ですが、夏の蒸れに弱いということだけはしっかり覚えておきましょう。「1年を通して乾燥気味に管理し、夏と冬はほぼ断水」これがクラッスラ・大型緑塔を育てる基本スタンスです。成長は遅いですが、言い換えれば小さな鉢でも長く楽しめるというメリットでもあります。何年も育てているとあちこち枝分かれして、背も伸びて曲がってきたり、下の方の葉が枯れて茎がむき出しになったりしてきますので、仕立て直しを行う必要がありますが、そのタイミングで挿し木や株分けを行うと思えば作業も楽しいものです。サボテンや多肉植物の専門店でないとお目にかかることは難しいかもしれませんが、一度見たらその不思議で美しい幾何学模様のとりこになるはずです。

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