豊富な数であらゆる好奇心に!クラッスラ属の種類と育て方

クラッスラ属とは

クラッスラ属は、主にアフリカ南部、東部やマダガスカルなどが原産で、小型のものから低木状に大きく育つものまで、様々な種類があります。姿かたちも多種多様で、おおよそ自然界に存在するものとは思えないような幾何学的なものから、いかにも多肉植物というような、肉厚の丸い葉をつけるものまで様々です。
品種や原産地によって、春秋型のものと夏型のものがありますが、春秋型のものは比較的小型の品種が多く、夏型のものは大型のものが多い傾向にあります。

クラッスラ属の種類

クラッスラはホームセンターや園芸店で気軽に手に入るものから、専門店でもあまり見かけないような珍しいものまで、たくさんの品種があります。様々な交配種が作られているので、園芸用として流通しているものは数百種にもなります。代表的なものをいくつかご紹介します。

カネノナルキ

花月とも呼ばれ、昭和初期に日本に入ってきており、クラッスラ属の中では最もメジャーな品種です。南アフリカ原産で、大きくなると茎の部分も木化し、1メートル以上にもなります。庭先などで地植えされているものもあるくらい、環境に適応しやすく、暑さ寒さにもよく耐えるようになります。本来は真夏の直射日光、蒸れ、冬の寒さなどが苦手なので、小さな株の場合あまり雑に扱うと枯れてしまいます。
斑入りの花月錦や、小型の姫花月などの改良品種も多く出回っています。

神刀

神刀やゴッドファーザーなどの名前で流通しています。鎌形の葉を左右互い違いに重ねて上に伸びていく不思議な形状で、大きなものだと50~60センチにもなります。肉厚の葉が互い違いに重なっていく姿は、力強さを感じます。こちらも夏型に分類されるため、夏の暑さにはよく耐えます。寒さにも比較的強く、水を切って管理していくと、マイナス1~2度くらいまでなら大丈夫です。

火祭り

しずく型の葉が十字に重なり、上に伸びていく品種です。春から夏にかけてはほんのりピンクがかった緑色の葉ですが、秋から冬にかけて、真っ赤に紅葉するのが特徴です。比較的小型の品種なので、成長しても株の直径は10センチ程度で、背もあまり高くなりません。
火祭りは春秋型に分類され、夏と冬は休眠するため、水やりは控えめにしておきます。

玉稚児

ナミビア原産のこの不思議な植物は、丸みを帯びて灰色がかった緑色の葉が、細い茎を中心に対になって生えており、それが90度ずつずれながら重なり合って上に伸びていきます。葉と葉の隙間がほとんどなく、密着して生えるので、まるで芋虫のような形状になります。途中枝分かれしたり、株元から子株を出したりしながら増えていく姿は、芋虫の群れのように見えます。玉稚児も春秋型のタイプなので、夏と冬は休眠します。

星の王子

星の王子という和名で流通していることが多いですが、南アフリカが原産地です。茎を中心にシンメトリーに葉を付け、それが90度ずつずれながら重なって上に伸びていき、段違いの四角柱のようになります。葉は灰色がかった緑で、ほんのり粉をふいたようになっています。葉にはピンク色の縁取りがあり、これが秋から冬にかけて紅葉し、さらに赤みを増す美しい品種です。
よく似たもので南十字星という品種もありますが、これは星の王子の斑入りのものとされています。

ゴーラム

ゴーラムはラッパのような形の棒状の葉を付けます。細長い棒状の葉の先が、漏斗状に少し開いているのが特徴で、このような不思議な形状から「宇宙の木」という別名もあります。実はカネノナルキの変種で、育て方はカネノナルキと同じですが、葉の形状がまるで違うので、全く別の品種のようです。性質はカネノナルキと同じなので、大株は1メートルを超えたりもします。

クラッスラ属の育て方

水やり

クラッスラは春秋型や夏型など、原産地によってタイプが違いますが、どれも共通していることは、過湿に弱いということです。
一年を通して乾燥気味に管理します。屋外で管理する場合は、雨の当たらない場所においてください。育成期でも極力水やりは少なめにし、1週間以上土が湿った状態にならないように、水はけのよい土を使用してください。
水をやりすぎるくらいなら水やりを忘れる方が寿命が長いくらいです。水やりは○日に1回ではなく、株や土の様子を見ながらタイミングをはかりましょう。乾燥には強いので、葉がシワシワになってから水を与えてもちゃんと復活してきます。

肥料

クラッスラは全般的に多肥は好みません。原産地はだいたい小石や砂が多く、ほぼ雨の降らない荒れ地が多いため、肥料をほとんど必要としない体になっています。そのため多肥にすると徒長しやすくなります。
肥料を与える場合は、植えつけの際に緩効性の固形肥料を少量混ぜておくか、春にごく少量の固形肥料または、規定量の倍くらいに薄めた液体肥料を与える程度でかまいません。

クラッスラ属の日常のお手入れ

日当たり

クラッスラは基本的には日当たりのよい場所を好みます。日当たりが悪いと徒長の原因になるので、真夏以外は極力日に当てるようにしてください。真夏の直射日光に当てたり、西日がガンガン当たるような場所に置くと、葉焼けしてしまうので注意が必要です。葉焼けすると、葉の縁からカリカリに枯れてきたり、斑点状にやけどしたりします。真夏は半日陰か、ある程度遮光してあげましょう。
日当たりの良いところを好むので、室内でずっと育てていくのは難しいです。特に玉稚児や稚児姿、緑塔や玉椿などは、徒長して葉と葉の間が開いてしまうと、もう元には戻らず魅力が半減します。ギュッと締まった株にするためにも、日当たりは重要です。

風通し

クラッスラは過湿に弱いため、土が蒸れないように風通しの良いところで管理しましょう。鉢植えをたくさん並べる場合、あまり密集させないようにしたり、小さな鉢を大きな鉢で囲まないようにするなど、どの株にも空気の流れが当たるようにしましょう。地植えにする場合は、日当たりと風通しがよく、雨の当たらない場所を選んでください。

植え替え

クラッスラは育成期以外にたっぷりの水を与えると、それだけで根腐れのリスクがあります。極力水はけのよい土を使うことはもちろん、数年ごとに植え替えをして、土の状態をより良い状態に保ってやる必要があります。株や鉢の大きさにもよりますが、2~3年で鉢がいっぱいになるので、育成期に植え替えを行いましょう。
鉢から抜いたら古い土と痛んだ根を落とし、一回り大きな鉢に植え替えるか、株をあまり大きくしたくない場合、ある程度根を切り詰めて、元の鉢に植え直します。
水を与えたときに鉢底から水が出てくるまでに時間がかかるようになったり、鉢底から根が出てくるようなら植え替えのサインです。

クラッスラ属の殖やし方

葉挿し

クラッスラは葉挿しが容易な品種と、極めて成功率が低い品種がはっきり分かれます。カネノナルキやゴーラムなど、比較的大型の品種や、枝分かれしてたくさんの葉を付けるもの、葉が落ちやすいものは葉挿しが簡単です。
逆に、玉稚児や玉椿など、幾何学的な形状で葉と葉の間が詰まっているものについては、葉挿しの成功率は極端に低いです。 
葉挿しを行う場合、外した葉を直射日光の当たらない場所においておけば、数週間程度で発根してきます。根が出たら根の部分が土に埋まるように植えつけます。植えつけたら1週間程度経過してから水やりを行います。芽が伸びてきたら親株と同じ管理でかまいませんが、強い日差しには弱いので、半日陰や明るい日陰などで管理します。

挿し芽

葉挿しがうまくいかない品種については、挿し芽の成功率が高いようです。細長く上に伸びる品種は、先端からある程度の長さを切り、下の方の葉を数枚取り除いて茎を露出させます。品種によっては下葉を取らずにそのまま挿しても大丈夫です。時期にもよりますが、数週間から1ヶ月程度で発根してきます。根が出るまでは水やりはしないようにしますが、真夏などはすぐにカリカリになってしまうので、春か秋に行うのがよいでしょう。
切った親株の方は、切り口から脇芽が出てくるので心配ありません。

株分け

玉稚児や玉椿など、根元から子株を生じる品種については、植え替えのタイミングで株分けをするのもよいでしょう。最初から根がついた状態で子株を切り分けるので、葉挿しや挿し芽よりも失敗のリスクが少ないです。
株を土から抜いたら、土と痛んだ根を落とし、親株と子株双方に根が残るように切り分けます。切り口は数日乾かしてから植えつけましょう。新しく植え付けた子株も、親株と同じ管理で大丈夫です。

クラッスラ属の寄せ植え

クラッスラをほかの多肉植物と一緒に寄せ植えする場合は、同じように乾燥に強く多肥を好まないものと組み合わせましょう。セネシオ属のように、ほかの多肉植物よりも水や肥料をほしがる多肉植物とは相性がよくありません。
カネノナルキやゴーラムなどは比較的成長も早く、根張りも旺盛なので、寄せ植えには不向きかもしれません。ゴーラムも小さなうちはよく寄せ植えにされて売られていますが、ほかの多肉よりも早く大きくなることが多いので、メンテナンスの頻度が高くなってしまいます。
また、クラッスラも春秋型や夏型があるので、違うタイプのもの同士を寄せ植えにしないように注意しましょう。

まとめ

クラッスラは、日本で最もなじみの深い多肉植物であるカネノナルキと同じ属になります。カネノナルキは各地で露地栽培されるほど丈夫で環境に適応しやすい植物ですが、同じクラッスラ属でも神経質な品種も数多くあります。品種によって形状も様々ですし、そういった意味では多肉植物のギナーからベテランまで、幅広く楽しめます。多肉植物を育ててみたいけど、いまいち自信がないという方は、知り合いでカネノナルキを育てているという方を探して、葉っぱを数枚分けてもらうところから始めても面白いかもしれません。葉っぱ一枚から育てていく喜びを知れば、ますます多肉植物に興味がわいてくることは間違いありません。

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