雨にも風にも雪にも負けない!グラプトペタルム朧月の育て方

グラプトペタルム・朧月の基本情報

分類:ベンケイソウ科グラプトペタルム属
学名:Graptopetalum paraguayense
原産地: メキシコ(タマウリパス周辺)

グラプトペタルム・朧月の特徴

グラプトペタルム・朧月は、学名グラプトペタルム・パラグアイセンスといい、1904年にニューヨークに輸入されたときはパラグアイの原産とされていました。そのためパラグアイセンスという名前が付いていますが、近年ではメキシコ(おそらくタマウリパス周辺)が原産とされています。日本にも昭和初期には輸入されていて、暑さにも寒さにも強いことから、現在は日本中で見かけることができるようになっています。日本では朧月(オボロヅキ)の名の方がメジャーです。

グラプトペタルム・朧月は、灰色がかった緑色の葉に白い粉がふいており、その姿が雲に霞んだ月を連想させることから朧月の名が付いたとされています。同じ理由で、海外ではゴーストプラントと呼ばれることもあります。
環境適応能力が高く、日向から半日陰まで幅広く適応し、暑さや寒さにも強いです。日向で育てると、葉の色がピンク色になってきますが、どうもそうやって強い光に適応しているようで、そのまま育てていても問題ありません。
グラプトペタルム・朧月は、エケベリアのようにロゼット状に葉を広げ、外側の葉を落としながらロゼットの下に茎が伸びていきます。やがてロゼットの重さで茎が倒れ、匍匐したりそこからまた立ち上がったりしながら成長していきます。ひとつのロゼットは、多きものだと10センチを超え、一枚の葉の大きさも、7~8センチ程度になります。匍匐したり株元から子株を生じたり、落ちた葉から芽を出したりしながら群生していきます。
グラプトペタルム・朧月の最大の特徴というか、他の多肉と大きく異なるところは、食用になるという点です。朧月を品種改良し、食用として販売しているものに「グラパラリーフ」というものがありますが、原種の朧月を食べられると思います。何度も食べてみましたが、いまのところ体調が悪くなったこともないので、食べても問題ないはずです。あくまでも自己責任ですが。葉は水分をたっぷり含んでいて、ほのかな酸味とかすかな渋みがあり、美味という言葉とは縁遠い味です。どちらかといえばまだ若い葉の方が、皮もやわらかく、酸味や渋みといったクセも少なくて食べやすいかと思います。

グラプトペタルム・朧月の育て方

用土

水はけの良い土を好みます。市販のサボテンや多肉植物用の用土でかまいません。比較的乾燥した場所を好むので、水はけがよくやや乾燥した場所であれば路地でも育ちます。

水やり

一年を通して乾燥気味に管理しますが、育成期の春から秋は、用土が完全に乾いたらたっぷりとあたえます。冬は休眠するので、ほぼ断水でもかまいません。どの季節でも、葉がシワシワになるまで水をやらなくても問題ありません。

肥料

植え付ける際に緩効性の固形肥料を混ぜ込んでおけば、それ以上は必要ありません。

置き場所

ジメジメしたところではうまく育ちません。鉢植えの場合は風通しがよく雨の当たらない場所置きましょう。日向から半日陰まで幅広く適応しますが、明るい日陰くらいが一番調子がよさそうです。

夏の管理

自生地の夏は、気温が25~35度程度で、雨はほとんど降りません。ジリジリと照り付ける太陽と乾燥した大地を生き抜く植物なので、乾燥や高温にはとても強いです。日本の夏は高温に加えて湿度も高いので、多湿には注意が必要です。
育成期なので、土が乾ききったらたっぷり水を与えるようにすると、次々と新葉を出して成長します。鉢植えの場合は、鉢皿に溜まった水はすぐに捨て、いつまでも根が水に浸かっていないようしましょう。屋外で管理する場合は、できるだけ軒下などの雨の当たらない場所に置き、風通しがよくなるよう管理します。
水やりは土が乾ききったら行いますが、葉がシワシワになるまで水やりをしなくても、枯れてしまうようなことはありません。水を与えれば元通りシャキッとします。
真夏の直射日光に当たると、葉がピンク色に変わっていき、育成の勢いが悪くなります。ただ、ちょっと弱ってるのかな?という程度で、葉焼けしたり枯れたりということはありません。

冬の管理

自生地の冬は、気温が15~25度前後で、夏よりもさらに雨が少なく乾燥しています。日本の冬は氷点下まで気温が下がるため、朧月にとっては寒すぎます。それでも関東以西では露地栽培で越冬もするので、寒さにはかなり強いようです。もともと寒さに強かったものが、日本各地に植えられ、寒さへの耐性を高めて広まっていったものと思われ、場所によっては完全に野生化しているものもあります。
冬は育成が止まるので、水やりの回数は月に1~2回程度で大丈夫です。葉がシワシワになってきたら、暖かい日を狙って水やりを行います。基本的には軒下など、雨の当たらないところで管理しますが、地植えの場合は天候任せの水やりで大丈夫です。ちょっとくらい霜や雪に当てても、枯れることもありませんし、強い霜などで地上部がどんどん枯れても、根が生きていれば春と共に復活してきます

グラプトペタルム・朧月の増やし方

葉挿しで増やす

グラプトペタルム・朧月は葉挿しで増やすのが最も簡単な方法です。普通に育てているだけで株元から子株を出したり、倒れた茎が土に触れるとそこから根を出したりしますが、他の多肉植物にも応用できる葉挿しで増やすことをオススメします。
もともと葉が取れやすい植物なので、勝手に落ちた葉からセルフ葉挿しで増えていることがあるくらい葉挿しは簡単です。よく育った大きな葉をつまんで、上下左右にひねってやると、スポッと外れる角度があります。葉の付け根には成長点があり、その部分がきちんと葉の方に付かないと芽が出ないので、「折る」や「切る」ではなく「外す」という感覚をしっかり覚えましょう。
外した葉は、そのまま土の上に置いておけば勝手に根が出て土に植わっていきます。土の上に置かない場合でも、その辺に転がしておけば根が出てきます。根が出たら土の上に置き、根の部分が埋まるように土をかけてやればやがて葉が出てきます。

挿し木で増やす

グラプトペタルム・朧月は、挿し木でも増やすことができます。挿し穂は剪定や仕立て直しの枝を使うとよいでしょう。グラプトペタルム・朧月は、成長と共に葉が落ちて茎がニョロニョロ伸びていきます。そうなってくるとあまり見栄えが良くないので、適当なところで切り戻しても大丈夫です。地面に近いところで切り詰めてしまえば、そこから脇芽が出てきますし、切った上の部分についているロゼットをバラバラにして葉挿しすれば、一気に増やすこともできます。
切った先端の部分は、茎の切り口を数日間乾かして土に挿しておけば、かなりの高確率で根が出ます。屋外で育てている場合は、冬にある程度減ることを想定して、育成期の間に増やしておくのも手です。

まとめ

グラプトペタルム・朧月は、丈夫で育てやすく、よく増えるため、多肉植物の入門編としてはもってこいの植物です。多肉植物を育てるうえで基本となる、「乾燥気味に管理」と「土が乾いてからたっぷり水やり」さえ守れば、春から秋にぐんぐん成長します。関東以西であれば、屋外での越冬もさほど苦労しませんし、葉挿しを成功させるためのコツである、葉を「外す」感覚もわかりやすい植物です。朧月でそうした技術を覚えてから他の多肉植物を育てると、思わぬ失敗が少ないかもしれません。そして、他の多肉植物では味わえない、「食べる」という楽しみ方も面白いと思います。

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