多肉界の美しき宝石たち!ハオルチアの種類と育て方

ハオルチア属とは

ハオルチアはツルボラン科に属し、南アフリカからナミビア周辺が原産で、ハオルシアともいいます。アロエのような姿で硬くシャープな葉を持つ「硬葉系」と、多くは透明の窓の付いたぷっくりとみずみずしい葉を持つ「軟葉系」に二分されます。軟葉といっても、それほど柔らかいわけではありません。どちらも観賞価値の高いものが多く、特に「軟葉系」の葉が持つ透明の窓は、日に当たると緑色の宝石のように輝きます。ハオルチア属は1株の最大サイズが15センチ程度で、なおかつ強い日差しを嫌うため、室内栽培に向いています。

ハオルチア属の種類

ハオルチア属は原種として100種程度が確認されていますが、様々な交配種が生み出されているので、流通しているものは500種以上ともいわれます。硬葉系、軟葉系ともにいくつかご紹介します。

オブツーサ(Haworthia obtusa)

ハオルチア人気の火付け役ともいえる、軟葉系の美しい品種です。しずく型の葉をロゼット状につなぎ合わせ、丸みをおびた葉の先端は、透明な窓になっています。窓際などに置いておくと、日の光が透けてステンドグラスのようになります。強い日差しに弱いので、屋外での管理よりも室内が向いています。

万象(Haworthia maughanii)

円筒形の葉が特徴的な軟葉系のハオルチアで、円筒を切り取ったように頂点が平らになっており、その平らな部分が窓になっています。この円筒は、あまり長くは伸びず、せいぜい2~3センチ程度です。円柱の直径も1~1.5センチ程度なので、成長しても比較的コンパクトにまとまります。ただ、価格は全然コンパクトにまとまらず、数千円~数十万円にもなる高価な品種です。

玉扇(Haworthia truncata)

万象と同じように、スパッと切り取られたような葉を持つハオルチアです。万象より平べったい葉を重ねながら、扇のように広がっていく姿から玉扇という和名がついたようです。玉扇も万象と同じように、葉の長さが数センチ程度なので、コンパクトにまとまる品種です。玉扇も軟葉系で、万象と同じように非常に高価なものも出回っています。

十二の巻(Haworthia fasciata)

硬葉系ハオルチアといえば十二の巻といわれるくらいポピュラーな品種です。小さなアロエのような形状で、濃い緑の葉には白く美しい縞模様があります。愛好家も多く、縞模様の出方で呼び名が変わるほどになっています。ほかのハオルチアと同じように、成長が遅く、あまり大きくならないのも人気の要因です。

九輪塔(Haworthia coarctata)

九輪塔も硬質系ハオルチアの人気品種で、十二の巻よりずんぐりした小さなロゼットを当のように積み重ねながら上に伸びていきます。ロゼットは積み重なってもせいぜい20センチ程度なので、それほど大きくはなりません。葉には白い斑点模様が美しく、観賞価値の高い品種です。

ハオルチア属の育て方

水やり

ハオルチアは春秋型の多肉植物に分類されるため、育成期の春と秋には土が乾いたら鉢底から流れるくらいたっぷりと水を与えます。ただ、ハオルチアはほかの多肉植物よりも根が太く、根にもある程度の水分を貯めることができます。そのためほかの多肉植物よりは乾燥に強いです。水やりはほかの春秋型の多肉植物よりも少し少な目で大丈夫です。
夏と冬には休眠するので、ほぼ断水でかまいません。人によっては完全断水する方もいるようですが、お住まいの地域や置いてある環境にもよるので、やみくもに完全断水するのはおススメしません。真夏や真冬でも、株の状態を見ながら、根が枯死しない程度の水やりを行った方が、育成期に調子がいい気がします。
夏場の水やりは、葉の間に水が残っていると、それがレンズのようになり葉焼けするリスクがあります。またロゼットの隙間などに水が残ると蒸れの原因になります。夏場は土に水をそそぐか、霧吹きで葉水を与えるなど、工夫が必要です。

肥料

植えつける際に元肥として緩効性の固形肥料を混ぜ込んでおけば、次の植え替えまで追肥なしでも問題ありませんが、育成期の春と秋に緩効性の固形肥料を、月に1回程度少量与えると育成がよくなります。

ハオルチア属の日常のお手入れ

日当たり

ハオルチアは灌木の根元や岩陰などに自生しており、強い日差しを嫌います。そのため屋外の日当たりのよい場所よりも、軒下や室内の明るい場所など、直射日光が当たらないところで管理するのが一般的です。とはいえ室内の蛍光灯のみでは光量が足りず徒長しやすくなります。徒長すると元には戻りません。室内に置く場合は、レースのカーテン越しなど、直射日光は当たらず明るい場所に置いてください。屋外で管理する場合は、ある程度遮光できる環境を作りましょう。

風通し

ハオルチアはほとんど雨の降らない乾燥した地域が原産です。雨は降らないものの、夏場でも気温が30度程度までしか上がらない地域なので、日本の夏の高温多湿は苦手です。できるだけ涼しくて風通しの良い場所で夏越しさせましょう。特に群生した大株は、葉の隙間などに水が溜まりやすいので、風通しが悪いとすぐに蒸れて溶けます。春と秋でも水やり後にいつまでも土が湿っていないように注意しましょう。

植え替え

ハオルチアは多肉植物としてはやや太めの根を持ち、根張りも旺盛です。成長が遅いとはいえ、株や鉢の大きさにもよりますが、植えつけ後2~3年で植え替えが必要になってきます。鉢底から根が出てきたり、水の吸い込みが悪くなってきたら根詰まりのサインです。根詰まりを起こしていなくても、鉢が小さく目の粗い土を使っている場合、根が伸びて株が持ち上がることもあります。ハオルチアは深く根を張るため、株の高さの2倍以上の深さの鉢を使うとよいでしょう。
植え替えを行う際は、数日前から水を切っておき、土から抜いたら古い土と痛んだ根を落とします。そのまますぐに植えつけ、水やりを再開するまでは1週間程度おいてください。

ハオルチア属の増やし方

葉挿し

ハオルチアは葉挿しで増やすこともできますが、成功率はほかの多肉植物に比べるとだいぶ低い印象です。品種によっては成功率がゼロに近いものもあります。ただ、やはりやってみたくなるのが人情でしょう。
使う葉は株の外側の充実した葉で、株の下方向に向けて、はがすように外します。このとき折れたりちぎれたりしたものは失敗と思ってください。葉の付け根からきれいに外れたものでないと根も芽も出ません。ハオルチアの葉挿しは、葉を外す作業が最も難しいかもしれません。
外した葉は1週間程度乾燥させたのちに土に挿します。芽が出るまでは、時期にもよりますが数週間から数か月を要する場合もあります。葉が完全にカリカリになって枯れるまでは希望を捨てずにそのまま挿しておきましょう。
小さな芽が出てきたら、そのまま1年程度育ててから植え替えを行います。植え替えは親株と同じように、数日前から水を切り、植え替え後は1週間程度経過してから水やりを行ってください。

株分け

ハオルチアも株元から子株を吹いて群生するものがあります。それらはそのまま育てていくと、大きな群生株になって見ごたえがありますが、株が込み合ってきて蒸れのリスクが高まったり、大きくなりすぎて困ったりすることもあるので、そういった場合は株分けをしましょう。
群生の外側から少しずつ切り分けていきますが、このとき切り分ける部分にも根がつくようにしましょう。根のないものもいずれは発根してきますが、やはりほかの多肉を挿し木するほどには成功率が高くないので、根の付いたものを切り分けてリスクを避けた方がよいでしょう。
切り分けた子株はすぐに植えつけてかまいませんが、やはり水やりは1週間程度おいてから行いましょう。

実生

ハオルチアの愛好家の方たちは、好みの品種同士を掛け合わせて実生を行っています。種子もネットで探すと比較的容易に見つかるので、ハオルチアの育て方に慣れてきたらご自身で交配するか、種を購入して実生に挑戦してみましょう。
小粒の赤玉土やバーミキュライトなどを湿らせて、その上に種を蒔いておくと、数日から1週間程度で発芽してきますが、最初の頃は乾燥にも過湿にも弱いため、管理はやや難しいです。腰水にして乾燥させないようにしますが、湿度が高くカビが生えやすいので、ベンレートなどで防カビをしましょう。
半年から1年程度で植え替え可能になりますが、まだ根も貧弱なため、乱暴に引き抜いて根を切ってしまうと、その後の育成が極端に悪くなるので注意が必要です。

ハオルチア属の寄せ植え

ハオルチアはほかの多肉植物と違い、一年中室内で管理することが多い植物です。タイプとしては春秋型に分類されますが、ほかの春秋型の多肉植物との寄せ植えには不向きです。
ハオルチアを寄せ植えにする場合は、できればハオルチア同士、さらに、軟葉系同士、硬葉系同士など、性質の似た者同士を寄せ植えする方が管理が簡単です。ハオルチアはあまり大きくなりませんが、子吹きしやすいものは寄せ植えに向きません。そういった意味でもそれぞれの個性をよく把握しておく必要があります。

まとめ

ハオルチアはコンパクトにまとまり、強い日差しを必要としないことから、室内栽培に向いている植物です。そのうえ美しい個体が多いため、観賞価値も高く人気のある多肉植物です。育て方がやや難しいと感じるかもしれませんが、基本的には春秋型の多肉植物をやや乾燥気味に管理すると思えばそれほど難しくありません。品種にもよりますが、ホームセンターなどで気軽に入手できるものもたくさんあるので、そういったもので経験を積んで、慣れてきたらご自身で交配させてみるのも面白いかもしれません。
成長するのに問題ない光量が確保できる場所であれば、キッチンの窓際はオフィスの机でも育てられるのも魅力です。軟葉系と硬葉系、それぞれの個性を堪能してください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA