ふわふわ毛の生えた葉の裏には牙をもつ!カランコエファングの育て方

カランコエ・ファングの基本情報

分類:ベンケイソウ科カランコエ属
学名:Kalanchoe beharensis cv. Fang
原産地:カランコエ仙女の舞の園芸品種。仙女の舞の原産地はマダガスカルなので、性質はそれに準ずるようです。

カランコエ・ファングの特徴

カランコエ・ファングは、同じカランコエの仲間である仙女の舞の園芸品種とされています。そのため学名も、仙女の舞の学名「Kalanchoe beharensis」のあとに、園芸品種を意味する「cv.」が付いて「Fang」となります。ファングというのは「牙」という意味で、文字通り名は体を表しています。
カランコエ・ファングは、肉厚でやわらかく大きな矢じりのような葉をしており、全体が銀色の短い毛で覆われて、ベルベットのような肌触りです。葉のふちは軽いフリルになったり、赤茶色の縁取りが出たり、個体差がありますが、いずれも犬の耳のような形をしています。
カランコエ・ファングの最大の特徴は、葉の裏に尖ったイボ状の突起ができることです。この突起が牙のように見えることから「ファング」の名が付いたとされています。牙といわれればそう見えなくもありませんが、どちらかといえば鍾乳石のようです。突起はトゲではないので、触っても痛くはありません。この牙は若い葉に芽立ち、葉が大きくなるにつれて目立たなっていきます。この牙が気持ち悪いと感じるか、かっこいいと感じるかは人それぞれですが、グロテスクと感じる人がいるようなので、同じフワフワ系のカランコエの中でも、月兎耳や福兎耳などのうさぎシリーズのように、女子の人気は薄いかもしれません。
カランコエ・仙女の舞は、カランコエの中でも大型の品種で、大きくなると数メートルにもなります。カランコエ・ファングもその気質を受け継いでおり、なかなかの大きさになりますが、ある程度大きさはコントロールできますし、成長はそれほど早くないので、大きくなりすぎて困ることはないかと思います。
成長してくると、下の方の葉が落ちて茎が木化していきます。大きくなりすぎて困る場合や、木化すると見栄えが悪くなると感じる方は、上の方を切って挿し木して仕立て直すこともできます。

カランコエ・ファングの育て方

用土

水はけの良い土を好みます。市販の多肉植物やサボテン用の用土でかまいません。

水やり

春と秋が育成期になるので、その時期は用土が乾ききったらたっぷりと与えます。夏と冬は育成が緩慢になるので、水やりの回数は少なくします。

肥料

多肥は好みません。育成期の春と秋に、薄めた液体肥料を少量与えるか、緩効性の固形肥料を少量与える程度でかまいません。

置き場所

ある程度耐陰性があるので、明るい日陰くらいでも育ちますが、基本的には日当たりを好みます。日当たりが悪いと徒長しやすいので、できれば日向から半日陰くらいの風通しの良いところで管理しましょう。

夏の管理

原種のカランコエ・仙女の舞の自生地では、夏の気温が20~30度で、雨も100~200ミリ程度は降りますので、日本での4~6月、9~10月くらいの気候です。日本の夏はさらに高温、さらに多湿になるため、夏越しには注意が必要です。
カランコエ・ファングは、春から秋に成長しますが、夏は暑さのため育成が緩慢になり、ほぼ休眠しています。そのため夏の間は春や秋よりも水やりの頻度を減らし、やや乾燥気味に管理してください。土が乾ききって数日経過したくらいに、鉢底から流れるくらいたっぷりと水を与えますが、暑さで蒸れないように夕方気温が下がり始めたくらいに行ってください。
夏の間よく日に当てると、丈夫で大きな株に育ちますが、真夏の直射日光に当たると葉焼けすることがあるので、真夏はある程度遮光してやるか、半日陰に移動させてあげましょう。
観葉植物として大鉢を屋内に置いている場合も、できるだけ日当たりの良いところに置き、なるべく日に当ててあげましょう。水をやる際は、鉢皿に水を溜めておかないようにしてください。
室内管理の場合ハダニが付きやすい季節ですので、霧吹きなどで葉水をしてハダニを防止しましょう。

冬の管理

原種であるカランコエ・仙女の舞の自生地の冬は、気温が15~25度で、雨は100ミリ前後降るため、日本の冬は寒すぎます。
カランコエ・ファングは、一時的にであれば弱い霜にも耐えられるとされていますが、霜に当たると株が傷むため、屋外で管理する場合は軒下などで霜よけしておきましょう。
大きな株ほど寒さに耐える力も強いですが、やはり0度を下回るような場所だと株が傷むため、冬はなるべく屋内に取り込んで、5度以上の温度が維持できる場所で越冬させた方が無難です。
春から秋によく日に当てて丈夫な株にし、秋の深まりと共に徐々に断水していくと、耐寒性が上がっていきます。真冬は月に1~2回程度、温かくなりそうな日の午前中を狙って少量の水を与えるくらいに留めておきます。

カランコエ・ファングの増やし方

葉挿しで増やす

カランコエ・ファングは、葉挿しや挿し木で増やすのが一般的です。ファングの実生というのは聞いたことがないので、もしかしたら園芸品種のため生殖能力がなくなっているのかもしれません。
もっとも簡単な方法が葉挿しです。カランコエ・ファングは、茎から葉が外れやすいため、風で鉢が倒れたりするとバラバラになってしまいます。他の多肉植物もそうですが、葉の外れやすい品種で、勝手に外れた葉は、ほぼ間違いなく葉挿しに向いた葉です。葉が落ちたまま土の上に置いておくと、やがて根を出してきますので、根の部分を土に埋めてやれば完了です。
自分で葉を外す場合は、株の下の方にあるよく育った肉厚の葉を選びましょう。カランコエ・ファングは、比較的葉も大きく葉柄も長いため、他の多肉植物よりは葉が外しやすいです。葉柄を持って軽くひねってやると外れるので、外れた葉はそのまま土の上に置いておきましょう。3週間から1ヶ月程度で根が出てきます。

挿し木で増やす

挿し木で増やす場合は木化していない茎を使用します。ある程度大きくなった株を仕立て直すときや、大きくならないよう摘心するときに出た、株の先端に近い部分利用するとよいでしょう。
切り取った茎の部分をよく乾燥させてから土に挿すと、こちらも3週間から1ヶ月程度で根が出ます。どちらかといえば葉挿しの方が成功率が高く成長は遅いです。挿し木は成功率が若干悪くなりますが、その後の成長は早いです。
葉挿しも挿し木も、適期は4~7月と9月頃です。真夏や寒い季節でもできないことはありませんが、発根までに時間がかかったり、せっかく根が出てもその後の育成不良で枯れてしまうことがあるので、育成期に行った方が成功率が上がります

まとめ

カランコエ・ファングは、その独特なフォルムが人気で、葉を楽しむ植物です。時々初夏のころに花を咲かせることはありますが、それほど観賞価値の高い花ではありません。多肉植物のなかでは珍しく立派な木になることから、木立カランコエとも呼ばれます。細かい毛が密に生えた葉の裏に、鍾乳石のような突起がボツボツと出てくる姿は、まるで動物のようです。ホームセンターや園芸店で流通しているものは、小さな鉢植えのものがほとんどですが、ときどき8~10号くらいの鉢に植わった大物も見かけます。大きく育ったものは、葉の大きさも10センチを超え、とても迫力があります。小さな株を大切に育てて大迫力の大物になったときは、ペットのような愛着がわいていること間違いなしです。

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