気難しくてかわいい松ぼっくり!?モナンテスポリフィラの育て方

モナンテス・ポリフィラの基本情報

分類:ベンケイソウ科モナンテス属
学名:Monanthes polyphylla
原産地:スペイン(カナリア諸島)

モナンテス・ポリフィラの特徴

モナンテス・ポリフィラは、カナリア諸島の原産で、グランカナリア島やテネリフェ島の固有種です。岩の割れ目や岩の影などの湿った土地に自生しているようです。
モナンテス・ポリフィラの特徴といえば、まずその魅力的な姿といえるでしょう。肉厚で小さな葉が、密にロゼットを形成し、まるで小さな松ぼっくりのような姿になります。この松ぼっくりは、ひとつの葉の大きさが1ミリ程度で、ロゼットの直径は大きくなっても10ミリ程度です。ロゼットの高さは、どうも産地によって若干個性が異なるようで、20ミリ近くまで背が伸びるものや、円錐状にのびるもあるようですが、今手元にある株は、ロゼットの高さが10ミリ程度で、ほぼ球形にしかなりません。
色も個体差があり、灰色がかった赤紫の葉が混ざるものや、鮮やかな黄緑色などがあるようです。手元にあるものはやや灰色がかった緑色です。
6月頃に、このロゼットの頂上から細い花茎がひょろひょろと伸びて、先端に花を咲かせます。その花はカビの胞子嚢か、戦隊ものの怪人の目のような姿で、なんとも不思議な魅力があります。
ただ、性質がやや気難しくて、なかなか思い通りに増えてくれません。夏の蒸れが大の苦手で、気温と湿度が高くなってくると、途端にしょんぼりしてきます。そして秋に涼しくなってくると、また息を吹き返して増えきますが、霜に当たっても枯れてしまうので、強い寒さも苦手です。増えたり減ったりを繰り返す一年なので、爆発的に増えてくるような喜びは味わいにくいかもしれません。

モナンテス・ポリフィラの育て方

用土

岩肌のくぼみや岩の割れ目などに自生するため、有機質の含まれない水はけの良い土を好みます。日向土や硬質赤玉土の細粒を中心に、水はけの良い用土づくりをしましょう。

水やり

春と秋が育成期なので、この時期は潤沢に水を与えます。

肥料

育成期の春と秋に、ごく薄めた液肥を与えています。

置き場所

一年を通して直射日光を避け、風通しの良い明るい日陰で管理します。

夏の管理

モナンテス・ポリフィラは、蒸れというか、夏にめっぽう弱いです。自生地は一年を通してあまり気温の変動がなく、夏でも20~27度くらいの気温で、雨はほぼ降らない季節です。そのため日本の夏では気温も湿度も高すぎて、少しずつ溶けて消えてしまいます。

モナンテス・ポリフィラは、直根らしきものがあまり見当たらず、細くて弱々しい根がわずかに生える程度なので、完全に水を切ってしまうと、細根が枯れて死んでしまいます。そのため夏でも少量の水を与えますが、できれば夕方以降、気温が下がってきてから水やりを行う方が無難です。
5~6月の花の時期が終わったころから水を切りはじめ、夏になったらほぼ断水します。月に数回程度、細根を枯らさないために水を与えますが、いつまでも土が湿っていない程度の量に留めておきましょう。
可能であれば、日中エアコンがかかっている室内の窓際に置いて夏越しさせた方が、全滅のリスクは少ないかもしれません。あちこち調べてみても、やはりみなさん夏に減らして秋に増やすというサイクルを繰り返しているようです。少しでも残っていれば、秋に復活するので、育てる環境に合わせて、最もリスクの少ない場所で、いかに数を減らさないように育てるかが、夏の管理の肝です。

冬の管理

自生地の冬は、気温が15~20度前後で、1ミリ以上の雨が降るのは月に数日程度、その量も10~20ミリ程度の爽やかな気候です。日本の春や秋と同じくらいの気温ですが、雨はずっと少ないです。暑さよりは寒さに強いですが、日本の冬は気温が低くなりすぎるので、屋外での越冬はさせない方が良いでしょう。
モナンテス・ポリフィラは、霜に当たると枯れてしまうことが多いようで、強い寒さには当てない方が無難です。そのため最低気温が15度を下回るようになったら、室内に取り込んで5度以上、できれば10度以上の温度が維持できる明るい場所で管理します。
冬場も夏と同様、できるだけ乾燥させて管理しますが、やはり細根を守る程度の水やりは必要なので、温かくなりそうな日の午前中に少量の水を与えましょう。
夜間エアコンを切ってしまう環境では、窓際の温度は外気とそれほど変わらないくなってしまうこともあるので、夜間は部屋の中央付近に移動させて、急激な温度の低下から守ってあげましょう。
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モナンテス・ポリフィラの増やし方

実生で増やす

モナンテス・ポリフィラの自家受粉については、あまり詳細な情報がないのでよくわかりません。ただ、カナリア諸島の一部の島にしか自生していない固有種であることから、おそらく自家受粉は可能と推測されます。
開花したときに受粉作業をしてみたことはありますが、これが実だ!と実感できたことはありません。
海外のサイトなどでは種子の販売もされているので、どうしても実生したいという方は、ネットで販売されているものを購入して試してみましょう。親と同じ用土を使用し、よく湿らせた用土の上に種を蒔いておくと、
わざわざ実生しなくても、いい季節には勝手に増えます。

子株から増やす

モナンテス・ポリフィラは、気候が良ければ次々と子株を出してきます。子株は親株の本体から直接出てくることもあれば、株元からわいてくることもあります。少し離れたところから、急に小さなロゼットが出てくることもあるので、おそらく地下茎かランナーのようなものを出して増えるのかと思います。
モナンテス・ポリフィラの茎はとても細く、1ミリ程度しかありません。子株を分けるときは、これを切ってロゼットの下の部分を土に当たるようにして置いておくと、いつの間にか成長を始めています。
群生しているところをめくってみると、子株のロゼットから根が出ていることがあります。そういったものを切り離せば、そのまま根付くので簡単です。また、群生をめくったときに、子株がいくつかつながった状態で茎がぽろっと外れることがありますが、これも茎の部分を土に埋めておくと発根しやすい気がします。
ときどきとても小さい子株が親株から離れたところにぽつんと生まれていることもあるので、もしかしたら何かの拍子に外れた葉っぱから芽を出したのがもしれません。葉が1ミリ程度なので、葉挿しを試したことはありませんが、生命力は強そうなので、涼しい気温と適度な湿度を保てる環境であれば、葉挿しを試す価値はありそうです。
上手な方はなにか自分なりのノウハウをお持ちかもしれませんが、適当にちぎって置いておくと根付いているので、あまり難しく考える必要はなく、大雑把にしてもよく増えます。

まとめ

モナンテス・ポリフィラは、本来は丈夫で育てやすい植物なのかもしれませんが、日本の気候には適正がなく、暑くてもダメ、寒くてもダメ、蒸れてもダメ、乾燥しすぎてもダメと、なかなか手間のかかる存在です。ただ、それを補って余りある美しい姿は、多くの多肉ファンを魅了し続けています。流通数が少なく、実物を見たことがないという方もたくさんいらっしゃると思いますが、もし見かけることがあれば、それは運命の出会いだと思います。夏に弱って消えていくロゼットもありますが、どうにか生き残った株があれば、秋にはモリモリ増えてきます。減少と増加を繰り返しながら、モナンテス・ポリフィラとの上手な付き合い方を学んでいきましょう。

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