鳳凰の卵は割れても生まれない!プレイオスピロス鳳卵の育て方

鳳卵の基本情報

分類:ハマミズナ科プレイオスピロス属
学名:Pleiospilos bolusii
原産地:南アフリカ

鳳卵の特徴

多肉を育てている方はもちろん、まだ興味があるけど育てたことがないという方でも、メセンという言葉は聞いたことがあると思います。メセンとは漢字で「女仙」と書き、ハマミズナ科の植物全体を指す言葉です。ハマミズナ科は126属1100種あるといわれ、プレイオスピロス属もハマミズナ科のひとつです。
プレイオスピロス属は向かい合った1対の葉が、90度ずつずれながら生える十字対生の植物です。卵のような球形を半分に割り、その中央からもうひとつの卵が出てきて割れるイメージです。中央の卵が成長するにつれ、外側の卵は枯れていきます。

プレイオスピロス属でもっともポピュラーなのは、帝玉です。プレイスピロス・ボウラシー(鳳卵)は、帝玉よりも大型の品種で、帝玉が2~4対の葉を持つのに対し、新しい葉が育つにつれて外側が枯れるので、最終的に1対になるのが特徴のようです。
今手元にある株も、すべて中央の新しい葉が成長するにつれて、外側が萎んでいき、最終的には1対の葉になっています。

灰色に近い緑色で、なんともいえない固さというか柔らかさというか、ハードグミくらいのちょうどいい弾力です。指でプニプニすると、ひんやりと心地よく、いかにもたくさんの水を溜め込んでいるのがわかります。
効率よく太陽光を集めるため、表面にはいくつもの透明の窓がありますが、これが窓というより鳥肌のようで、どうにも気味が悪いと思われる方もいるようです。
割れた球体の外側に、濃い緑のボツボツ模様がついているので、気持ち悪いといわれれば気持ち悪いかもしれません。

鳳卵の育て方

用土

多湿を嫌います。水はけのよい土を使用してください。市販の多肉植物やサボテン用の用土が簡単です。自分で配合する場合は、バーミキュライトやパーライトなどを配合して、水はけがよくなるように調整してください。

水やり

6月から8月いっぱいくらいまでは休眠期になるので、この時期と脱皮中は断水するというのが一般的な水の与え方です。冬は水の吸い上げが悪くなるので、冬もややひかえめにし、それ以外の季節は用土が乾ききったら、鉢底から流れるくらいたっぷりと与えます。

肥料

秋から春にかけて、月に1回程度緩効性の固形肥料を与えるか、薄めた液肥を与える程度で大丈夫です。

置き場所

一年を通してよく日に当ててください。風通しがよくて雨の当たらない場所に置き、できるだけ日が当たるようにしましょう。特に冬や梅雨時は日照時間が短くなるので、晴れ間を無駄にしないようにします。

夏の管理

ハマミズナ科の多くの植物は、冬が育成期になります。そのため夏越しがプレイオスピロス属を上手に育てるための最大のポイントです。ネット上には夏は休眠のため、完全断水させるという文言をよく見かけます。原産地の南アフリカの気候を見ると、夏の気温は15~30度前後で、日本よりも若干涼しい感じです。降水日数を見ると、数日から十日前後は雨が降っていることがわかります。降水量は少ないものの、雨が降る日があるということは、完全断水というのもどうなのかということになります。実際今手元にある鳳卵は、野ざらしです。もちろん日向土中心の、きわめて水はけのよい土を使っているものの、台風がきても外に出しっぱなしで、太陽も雨もガンガン当たっています。

蒸れない環境であれば、完全断水の必要はないような気がします。いつも行くサボテン屋さんのご主人は、「みんな断水だ休眠だって水をやらずに枯らしてしまうが、植物は水をやらなきゃダメだ!」と豪語しています。その言葉に習って、水やりは自然に任せて、土で水分を調整するという栽培方法を試していますが、今のところ枯れたり溶けたりする様子はありません。多肉植物やサボテンは、月に何回どれくらい水をやるというより、株の状態をよく観察し、環境によってそれぞれの固体に合わせた調整を行うのが重要かと思います。

冬の管理

鳳卵は他のプレイオスピロス属と同様、冬が育成期とされています。ただ、やはり厳寒期は水の吸い上げが悪くなるので、真冬は通常よりも水はひかえます。水を控えることで株が締まって耐寒性が上がります。置き場所は、よく日のあたる場所で、雨や雪がかからないよう軒下などで管理してください。
原産地の冬は、気温が一桁前半から20度前後で、雨は極めて少ない状態です。このことからも、寒い時期にあまり水を与えない方がよいことが推察されます。高地の場合、氷点下に達することもあるので、実際にはマイナス2~3度までなら耐えられるようです。手持ちの株は、無加温のガラスケースに入れて、屋外で越冬させています。入手してからずっとその状態ですが、特に問題なく数年が経過しています。

お住まいの地域にもよりますが、ずっと屋外で管理していると、徐々に気温が下がっていくので、植物も少しずつ寒さに慣れていきます。屋内から屋外、屋外から屋内と、管理を変更する場合は、いきなり環境を変えてはいけません。徐々にゴールへと近づけるよう工夫してください。

鳳卵の増やし方

プレイオスプレス属に共通するようですが、鳳卵もひとつの株が脱皮の際に分頭することはほとんどなく、増やすときは実生が一般的です。花は秋に咲きますが、自家受粉はしないため、複数の株を持っていない限り結実は見込めないと思ってください。
鳳卵は9~10月頃に、黄色い菊のようなタンポポのような花を咲かせます。花は株のわりには大輪で、5~7センチ程度にもなります。うまく他の株と開花のタイミングが合うと、やがて花の根元に親指大の実がなります。実が完熟すると、中に微細な種ができます。この種を蒔くわけですが、とにかく種が小さいので、基本的にはばらまきです。

硬質赤玉土や鹿沼土の細粒を用いたり、サボテンや多肉植物用の用土にそのまま蒔いたり、人によって好みが分かれます。個人的には、粒がそろって見栄えがよく、適度な保水性と排水性を兼ね備えた、芝の目土が好きです。育苗用のトレーの下の方に日向土を敷き、その上に数センチの芝の目土を敷き、平らにならしてから使用します。底面吸水で水を含ませたら種をばらまき、霧吹きでさらに水を与えます。
この状態で置いておくと、数日で発芽し、可愛らしい双葉が出てきます。双葉は普通の植物とほぼ変わらない様相ですが、次に出てくる本葉は、もうぷっくりした多肉植物の姿になっていて面白いです。
種まきの適期は、育成期に入る9月頃です。この時期にスタートして、夏までにどれだけ大きくできるかが成功のカギになります。夏を迎える前にある程度育てておかないと、水やりを減らす季節を、水分のたくわえが少ない小さな体で乗り越えなければならなくなります。多肉植物全般に言えることですが、実生も葉挿しも、その植物が一番苦手な季節を迎えるまでに、ある程度の体力をつけられるよう逆算して行いましょう。

まとめ

鳳卵は可愛いと不気味の評価が極端に分かれる多肉植物のひとつです。球体が割れた姿だけ見れば可愛いけど、表面のボツボツがどうにも、という方も少なくありません。ただ、多肉植物という大きなくくりで見ると、とても不思議で奇妙で、愛嬌のある存在です。緑のボツボツも、太陽光を効率よく吸収するため以外にも、石に擬態するためとも言われています。そう考えると、実に計算されたデザインです。お店で見かけた際には、まずご自身の手で、なんともいえない弾力を体感してみてください。不気味が可愛いに変わる瞬間を体験できると思います。

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