砂に埋もれた緑の団子!プセウドリトスミギウルティヌスの育て方

プセウドリトス・ミギウルティヌスの基本情報

分類:ガガイモ科プセウドリトス属
学名:Pseudolithos migiurtinus
原産地:ソマリア北東部(バリ州)

プセウドリトス・ミギウルティヌスの特徴

プセウドリトス・ミギウルティヌスは、なんだか舌を噛みそうな名前ですが、ガガイモの仲間です。ガガイモの仲間もユーフォルビアと同様に、非常に多様性に富んだ姿をした植物です。プセウドリトス・ミギウルティヌスは、形状はほぼ球体で、とても硬く、爬虫類の鱗のように無数の小さなイボを持った姿をしています。おおよそ植物とは思えない形状で、属名のプセウドリトスの由来が、ラテン語の「偽の石」というのも納得できます。粉を吹いたよにほんのり白っぽい緑色の塊は、砂に埋もれながら強い日差しから身を守っているようです。

成長が非常に遅く、かれこれ数年いますが、ほぼ大きさは変わっていません。大きさが変わっていないので、育てている実感もないですが、大仏の頭のようで、枯れずにいてくれるだけでありがたい気分になります。
ガガイモの仲間はとても丈夫で育てやすいものが多いですが、プセウドリトス属に関してはそれは忘れてください。とても気難しく、管理を失敗すると、あっという間にしぼんでしまいます。しぼみ始めたらもう助からないと思ってください。複数を同じ管理にしていても、ある個体だけ急に傾き始めたと思ったら、あっという間に小さくなっていき、数日後には根だけを残して地上部は消えてしまったりします。ただ、その気難しさを補って余りある魅力的な姿は、圧倒的な存在感を持っています。爬虫類がお好きな方にはたまらないと思います。
ガガイモの仲間の特徴として、花がどうも毒々しいというのがあります。プセウドリトス・ミギウルティヌスも例にもれず、赤黒いヒトデのような星形の花を咲かせます。そしてこれもガガイモの仲間の大きな特徴ですが、花が臭いです。ハエが花粉を媒介するので、こんな臭いになるようなんですが、完全に「匂い」ではなく「臭い」です。腐敗臭に近い臭いなので、オフィスやキッチンに置くことはオススメしません。よく見ると、ボコボコした表皮に、頭頂部から十字に線が入っているようになっていますが、ここから花芽が出てきます。

プセウドリトス・ミギウルティヌスの育て方

用土

水はけの良い土を好みます。小粒の軽石に赤玉土などを混ぜて、排水重視の用土で育てます。

水やり

一年を通して 乾燥気味に管理します。育成期の夏以外は断水気味でかまいません。

肥料

植え付ける際に、緩効性の固形肥料を混ぜ込んでおくか、育成期に薄めた液肥を与える程度でかまいません。

置き場所

一年を通してよく日の当たる風通しの良い場所に置きます。冬以外は屋外管理で、雨が当たらないようにしておきましょう。

夏の管理

プセウドリトス・ミギウルティヌスの育成期は夏です。自生地はソマリア北東部で、アフリカの角と呼ばれるアフリカ大陸からアラビア海に付きだした部分です。赤道に近く、一年を通して25~30度前後の気温で、雨はほとんど降りません。夏場は40度近くまで気温が上がることもあるため、高温にはよく耐えます。ただ、多湿には非常に弱いです。一年を通してほとんど雨の降らない地域ですが、夏には少量の雨が降ります。
日本の夏は高温多湿になるため、湿度の管理がとても重要になります。きわめて排水性の高い用土に植え、いつまでも土が湿っていないようにしてください。
夏が育成期になるので、この時期は土が乾ききって数日経過したくらいに、鉢底から流れるくらいたっぷりと水を与えます。育成期の夏とはいえ、土がまだ湿った状態で水を与えると、ある日突然溶けてしぼむことがあるので、水やりは土が完全に乾ききるまで我慢しましょう。
日陰のない砂漠で、砂に埋もれながら生きている植物なので、真夏の強い日差しにもよく耐えます。基本的には日当たりの良いところで管理しますが、寒い時期に室内に取り込んだものをいきなり強い日差しに当てると、肌が赤茶色に変色することがあります。日差しの弱いところに移動させれば元に戻りますが、夏になってから外に出す場合は、いきなり強い日差しに当てずに、少しずつ慣らすようにしましょう。
夏の多湿対策としては、とにかく風通しを良くすることです。鉢のスレスレまで用土を入れ、いわゆるウォータースペースをなくすことで、株元に風が当たるようになります。この状態で、周囲に背の高い鉢などを置かず、株元によく風が通るようにしておきます。設備があるなら扇風機などで空気を動かしてやるのも良いでしょう。

冬の管理

自生地の冬は、夏とほぼ同じ気温ですが、雨がほとんど降らなくなります。気温は相変わらず25~30度前後で、乾燥しています。そのような環境で生きているので、当然日本の冬は寒すぎます。
夏が過ぎて、最低気温が20度を下回る頃から徐々に水やりの間隔をあけていき、真冬にはほぼ断水します。冬は細根の枯死を防ぐ程度の水やりに留め、くれぐれも多湿にしないように心がけてください。完全断水される方もいるようですが、小心者なので完全断水は怖いので、ごく少量の水を与えてしまっています。おそらく使用する用土や置いてある環境によっては、完全断水でも問題なさそうです。
冬でも可能な限り日に当てますが、寒さには弱いので、最低でも10度以上は維持できる環境で管理しましょう。加温設備があるならその方が無難ですが、室内の日当たりの良いところでも越冬は可能です。ただし、冬の窓辺は深夜から早朝にかけて外気とあまり差がなくなることがあるので、エアコンを切ってしまう部屋などに置く場合は、エアコンを切るときに窓から離して置きましょう。
夏でも冬でも、とにかく水のやりすぎは即死につながります。他のサボテンや多肉のように、調子が悪いから管理を変えてみようというやり方はできないと思ってください。何か失敗すると、あっという間に消えてしまいます。ネットなどで失敗例を参考にしながら、自分なりのノウハウを探すしかありません。

プセウドリトス・ミギウルティヌスの増やし方

実生で増やす

プセウドリトス・ミギウルティヌスは、実生で増やす方法しかありません。挿し木もできなければ子株も吹きません。臭い花が受粉すると実ができます。実がはじけると、中からタンポポのような綿毛を付けた種が出てきます。種は2ミリくらいの大きさなので、綿毛の飛翔力はなかなかのものかと思います。
種まきは夏の育成期を活かすため、春に行うのが良いでしょう。湿らせた小粒の赤玉土の上に種をばらまいて湿度を保っておくと、数日から1週間程度で発芽してきます。発芽率は悪くない気がします。そのあと次々と消えていくので、生存率はあまり良くないです。おそらく管理が悪いと思われますので、上手な育て方はネットなどで実生記録を公開されている方を参考にしてみてください。

まとめ

プセウドリトス・ミギウルティヌスは、見た目のいかつさに反してとても神経質です。何年も育てているベテランの方でも、ある日突然原因不明のまま溶かしてしまうこともあるようです。手のかかる子ほどかわいいというもので、夏を乗り越えた、秋を生き抜いた、冬を耐え忍んだ、そして無事に春を迎えたなど、完全にうまくいく方法がわからないまま育てていると、いつの間にかとても愛着がわいています。失敗から学び、経験を積めば、何年も一緒にいられるようになります。サボテンや多肉の専門店でも扱いが少ない植物かと思いますが、もし見つけたときには、まず優しく撫でてみてください。ゴツゴツとした手触りが忘れられなくなりますよ。

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