小さな体に大輪の花が咲く!かもしれない!フライレア貂の子の育て方

フライレア・貂の子の基本情報

分類:サボテン科フライレ属
学名:Frailea pygmaea v. phaeodisca
原産地:南米周辺 (ボリビア、ウルグアイ、パラグアイ等)

フライレア・貂の子の特徴

フライレア属は、サボテンの仲間のなかでも小型の品種で、数センチほどの球形のものがほとんどです。フライレア属の最大の特徴は、自家受粉でどんどん結実していくところです。年に何度も蕾をつけては結実していきますが、花は咲きません。フライレアの花は閉鎖花といって、開花することのない花です。つぼみの状態のまま、つぼみの中で受粉し、結実していきます。一定の条件がそろったときだけ花を開きますが、悩ましいことに花を咲かせると結実しにくいという習性があるようです。開花の条件は、温度や湿度など、色々あるのでしょうが、細かくはわかりません。フライレア属の花はみんな黄色です。

手元にある株は、春先に少量の発酵鶏糞を与え、6月に気温が30度くらいになったときに開花しました。その後は閉鎖花のままなので、鶏糞が良かったのか、温度が良かったのか、湿度が良かったのか、開花の理由はわかりません。

フライレア属の中には、貂の子(てんのこ)のほかに、熊の子、虎の子、豹の子、狸の子など、「〇〇の子」というものが多いです。フライレア属の中でも特に人気があるのは、士童(しどう)ですが、今回は貂の子です。貂の子は、2~3センチの小さな黒っぽい球体で、短いトゲを放射状に広げる刺座が特徴です。これも人を傷つけない良いサボテンです。
貂の子も基本的には閉鎖花をつけ、開花せずに種を作りますが、種は時間が経つにつれ発芽率が下がるため、実生する場合は取り蒔きが基本です。親株の周辺に程よく湿度があればこぼれ種が発芽しますが、そこで発芽するとその後の管理が面倒なので、実生する場合はちゃんと種を取り、育苗設備で育てましょう。

フライレア・貂の子の育て方

用土

水はけの良い土を好みます。市販のサボテン用の用土でかまいません。自分で配合する場合は、赤玉土や日向土に腐葉土を混ぜるなど、排水性と水持ちのバランスの良い配合にしましょう。

水やり

小型のサボテンですが、太い塊根を作りますので乾燥には強いです。土が乾ききってから数日経過したくらいに、鉢底から流れるくらいたっぷり与えます。

肥料

市販の用土には元肥が入っているので、特に追肥しなくても大丈夫です。大きさが変わらないのでよくわかりませんが、春と秋に緩効性の固形肥料を与えると調子がいい気がします。

置き場所

小型の割には暑さにも寒さにも強い丈夫なサボテンです。多湿に注意しながら、日当たりと風通しの良いところに置いてください。

夏の管理

フライレアは暑さや蒸れに弱いという話もありますが、実際暑さに弱いと感じたことはありません。自生地の夏は、15~30度前後の気温と、雨の多い季節です。雨が多いといっても、多いのは量で、降雨日数は5~7日程度です。このことからも、夏場の管理は水やりのメリハリが必要だということがわかります。
日本の夏は30~35度前後、降水量も降雨日数も自生地の倍近くなります。そのため、屋外で雨ざらしにしておくと過湿で根腐れする可能性があります。フライレアは大きな塊根を作り、土から抜くと円錐状になります。そのため乾燥に強く多湿に弱いです。夏場はできるだけ風通しの良いところに置き、水やりは土が乾ききってから数日経過したくらいに、鉢底から流れるくらいたっぷりと与えます。水をやるときはたっぷりと、水をやったらしっかり乾燥させるというメリハリが大切です。暑い季節になると、身体を柔らかくして平たくなって、地面に潜ろうとすることがありますが、これは正常です。ロホホラやアストロフィツムなどにもみられる現象で、涼しくなれば元に戻ります。

貂の子は、初夏から秋にかけて、何度も閉鎖花を付けます。6月に開花し、それ以降は閉鎖花ということもあるので、温度が高ければ良いというものでもなさそうです。花を見たければ、色々条件を変えて試してみるしかなさそうです。閉鎖花の場合、つぼみの中で自家受粉するので、花芽が上がってきたら、1週間程度で実ができます。

冬の管理

自生地の冬は、気温が5度前後から15度前後と、昼間でも比較的冷涼です。降水量は夏より若干少なくなる程度で、降雨日数は夏とほぼ同じです。つまり、気温が15度前後の時期であれば、夏と同じ水やりで構わないということです。
貂の子は、小さいわりには寒さに強いように思います。もちろんガラスのケースに入れて霜や雪に当てないようにはしていますが、特に加温はしていないので、真冬は0度近くまで温度が下がっています。それでも枯れることはないので、徐々に慣らしていけばある程度の寒さには耐えられそうです。冬でも月に1~2回程度は、少量の水を与えています。
心配な場合は、屋内に取り込んで、窓際の明るい場所に置いて、5度以上の温度を維持しながら越冬させてください。深夜や早朝に、窓際の温度が外気と変わらないような環境の場合は、暗くなってから部屋の中央付近に移動させるようにしてください。

フライレア・貂の子の増やし方

実生で増やす

貂の子を増やすには、実生しかないと思われます。何年も育てていますが、子吹きしたことがありません。フライレア属でも、いくつか子吹きするものもあるようですが、フライレアに関して言えば、実生が簡単なので、皆さん実生で増やしているようです。そして増えすぎてしまうので、種を取るのをやめる方も多いようです。

貂の子は株の中央付近に、毛の生えた花芽が出てきます。これが成長して、徐々に膨らんでくるのですが、実が完熟すると、ぽろっと落ちます。落ちたところで割れて種がこぼれるわけですが、この種はすぐに鮮度が落ち、発芽力が失われていきます。1か月放置すると発芽率が半分になるとも言われます。増やしたい場合は、すぐに回収して種を蒔きましょう。実の中には数十個ほどの種が入っていますが、本体が小さいわりには、種はゴマ粒ほどの大きさなので扱いが楽です。一度に複数の実をつけることもあるので、放置していたらいつの間にかこぼれ種で群生しているという方もいるようです。
赤玉土や鹿沼土の細粒、芝の目土などを湿らせ、その上に種を蒔き、霧吹きなどで水をやり、湿度を保っておくと数日で発芽してきます。そのまま湿度を保って管理しますが、幼苗は乾燥に弱いので、夏や冬でも極端に乾燥させないように注意してください。乾燥しないようにふたをする場合は、カビが生えやすくなるので、ときどきベンレートをスプレーするなどして防カビをしましょう。
小さな苗は真夏の直射日光に当てないように、ある程度遮光した環境で育てましょう。小さいうちは肥料がよく効くので、薄めた液肥を与えると育成がよくなります。まだ暑さや寒さにも弱いので、屋外で真冬の寒さに当てるのはやめておいた方が無難です。できれば屋外に取り込んで越冬させましょう。

まとめ

フライレア属はどれも小型で、たくさん育てていても場所を取らないのが利点です。広いスペースや温室などはないけど、サボテンを育ててみたいという方にはオススメです。特に貂の子のように、人を傷つけないタイプのトゲを持つ種類は、見た目の可愛らしさに加え、触れてコミュニケーションできる楽しみもあります。他にも士童や天恵丸など、優しいトゲの品種も多いのがフライレアの魅力です。和名の付いた品種が多いことからも、日本での人気の高さがよくわかります。特に難しい世話をしなくても、閉鎖花を付けて次々に種を作ります。初心者の方が初めて種を自家採取して実生で育てるには最適なサボテンなので、ぜひ実生を試したいという方は、貂の子で練習してみてはいかがでしょうか?

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA