まるでミニチュア盆栽のようなセダム!小松緑の育て方

小松緑の基本情報

分類:ベンケイソウ科セダム属
学名:Sedum multiceps
原産地:アルジェリア

小松緑の特徴

小松緑はセダムの仲間で、学名はSedum multiceps(セダム・ムルチセプス)といいます。セダム属の中では一番好きな品種です。お店で大きな鉢に入った大株を見たのが初対面ですが、本当に松の小盆栽のような姿で、とても美しかったです。多肉植物といえば、ぷっくりと太った葉や茎が特徴で、みずみずしいイメージですが、小松緑の茎はカサカサで、枯れ木のような印象だったので、多肉植物っぽくなくて一度は素通りしました。再度戻ってよく見てみると、カサカサの茎に小さな葉がみずみずしく茂り、静と動というか、生と死というか、茎と葉のミスマッチにとても魅力を感じました。大株はお値段がぜんぜんかわいくなかったので、小さなものを連れて帰りました。

小松緑は、葉の部分が日本国内に自生するセダム、モリムラマンネングサに似ていて、小さな楕円形の葉が、茎の先端に束になって生えています。最大の特徴は、株が成長するにつれて、茎の下葉が落ち、茎が木化していくところです。木化した茎は、表面が乾燥し、茶色くささくれ立ってきて、針葉樹の樹皮のように変化していきます。その先端に小さな楕円の葉が緑色の束を作るので、まさに小さな松のような姿になります。
松は常緑樹なので、冬でも青々と葉を茂らせていますが、小松緑は他の多くの多肉植物と同様、紅葉します。秋が深まるにつれて葉が赤く変化していきます。

小松緑の育て方

用土

比較的乾燥した場所を好むので、水はけのよい土を使用します。市販の多肉植物やサボテン用の用土でかまいません。自分で配合する場合は、硬質赤玉土や日向土、軽石などを混ぜて水はけをよくしましょう。苛酷な環境で自生する植物なので、有機質や肥料成分は少な目の土を好むようです。

水やり

育成期が春と秋の、いわゆる春秋型の多肉植物です。春と秋は、土が完全に乾ききる前に水を与えてかまいません。夏と冬は水やりの回数をひかえます。葉が小さく貯水量が少ないですが、ある程度の乾燥には耐えます。葉がしょんぼりしてから与える感じでも問題はありません。水をやるとあからさまに葉がパンとしてくるので、そこで調子を見極めることも出来ます。水を与えてもしょんぼりしたままの場合は、根腐れの可能性があります。

肥料

自生地が岩場で痩せた土地なので、多くの肥料を必要としません。光合成でひっそり成長するタイプの植物です。育成期に薄めた液肥を少量与えると育成がよくなるようですが、肥料なしでも元気に育っています。

置き場所

高温多湿と強い寒さを嫌います。一年を通してよく日に当て、風通しのよい場所に置くようにしてください。よく日に当てると、葉が赤っぽく変わることがありますが問題ありません。また、真夏の強い日差しに当てると、小さな葉が枯れてポロポロ落ちてしまうことがあるので、真夏の直射日光は避けておいたほうが無難です。
風通しのよいところを好むので、置き場所は出来るだけ通気性のよいところを選んでください。風通しの悪いところだと、梅雨時から初秋にかけては、高温多湿で群れやすくなるので、根腐れのリスクが高まります。
屋外での夏越しに自信がない場合は、屋内に取り込んでもかまいませんが、外出中に蒸らしてしまわないように注意してください。

夏の管理

原産地の夏は乾季に当たり、気温が20~30度程度で雨はほとんど降りません。日本の夏はさらに気温が高く、湿度も高いため、小松緑にとっては厳しい季節です。できるだけ風通しがよく涼しい場所に置いてください。一日中ギラギラと太陽が照りつける場所では、葉が枯れこんで株が弱りますので、ある程度遮光してあげましょう。
完全断水する方もいるようですが、セダムはもともと根が浅く、細かい根を広げる植物なので、完全断水すると根が傷んで復活に時間がかかる場合があるようです。夏場でも土が完全に乾ききったら、涼しい午前中などにさらっと水を与えています。

冬の管理

原産地の冬は雨季にあたり、月の半分は雨が降る季節です。それでも気温が10~15度前後はあるので、日本の冬に比べてだいぶ暖かいです。この時期が小松緑の成長期になるので、日本ではちょうど春と秋ということになります。日本の冬は寒すぎて、屋外ではなかなか越冬するのが難しいようです。極力水やりをひかえますが、やはり細根が傷むのを避けるため、土が完全に乾ききったらさらっと水を与えています。春や秋のように、鉢底から流れるほどは与えず、あくまでもさらっとです。人によってこの感覚は違うと思いますが、完全断水するのは怖いので、土のおよそ3分の1が湿る程度くらいの感じで、霧吹きでさらっと与えています。

極力水を切ってやると、耐寒性があがるので、越冬もしやすくなります。耐寒温度は0度前後という話もありますが、やはり屋外での越冬は難しいように思います。心配な方は、屋内に取り込み、5度以上が維持できる環境で越冬させた方が無難です。このときもできるだけ日が当たる場所を選び、可能な限り日に当ててください。
リビングの窓際に置く場合は、人が生活している時間帯はよいのですが、夜はエアコンを切ってしまうと、窓際の温度は外気とそれほど変わらないというケースもあるので、エアコンを切ってしまう時間のある部屋に置く場合は、エアコンを切る前に窓際から部屋の中央付近に移動させておきましょう。

小松緑の増やし方

小松緑も他のセダム属と同様、挿し芽して増やすのが一般的です。育てていると、茎の先端にある葉のかたまりの先に、モリムラマンネングサによく似た黄色い花を咲かせることがあります。花が咲くということは、おそらく種もできるとは思うのですが、なにせ数ミリの花ですし、実生よりも挿し芽の方が簡単なので、皆さん挿し芽で増やしていると思います。小松緑を実生したという話は聞いたことがないので、我こそはと思う方は試してみてください。

小松緑はセダム属の中でも小さい葉をつける種類なので、おそらく葉挿しもきわめて難しいと思われます。ポロポロ落ちた葉から増えるのかもしれませんが、これほど小さい葉では、根が出る前に葉の水分が枯渇してしまいそうです。
挿し芽を行う場合は、できるだけ木化が進んでいない若い茎を使った方が成功率が高い気がします。気根が出ている部分があれば、そこを使うのもよいでしょう。どの部分を使うかは、株の大きさや育成状況にもよりますが、若くてエネルギッシュな部分がよいようです。

株元から子株を生じている場合は、その部分を根が付いた状態で株分けします。これが一番リスクの低い増やし方だと思います。
挿し芽に適した季節は、育成期の春と秋ですが、秋に挿した芽に根が出ても、冬までに十分育ちきらないので、できれば春に挿し芽する方がその後の育成がよいかと思います。
小松緑を盆栽仕立てにしている方は、樹形を整えるために剪定した枝を使っているようです。

まとめ

小松緑は、成長とともに木立した枝が分岐し、潅木のように茂っていきます。盆栽のように針金を巻いて樹形を整えることも可能です。太陽に向かって伸びる性質を利用して、鉢を傾けながら曲げる方法もあります。いずれにしても他の多肉植物とは違う楽しみ方が出来るのが小松緑最大の魅力です。多肉植物がお好きな方も、盆栽がお好きな方も、きっと気に入ることでしょう。流通数が少なく、店頭で見かけることはほとんどないので、レアものを集めるのがお好きな方もご満足いただけるかと思います。見つけたときがチャンスかもしれませんよ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA