気がつけば足元にも!もっとも身近な多肉植物セダムの種類と育て方

セダム属とは

セダムはユキノシタ目ベンケイソウ科に属する植物で、日本での属名はマンネングサ属です。一般的には学名のSedumから、セダムと呼ばれることが多いです。細い茎に肉厚の細長い葉や、卵型の葉などが多いですが、かわいらしい姿のものがたくさんあります。品種によってはエケベリアのようなロゼットを形成するものもあります。
品種名で○○マンネングサとして流通しているものもたくさんあるので、マンネングサという名もメジャーではあります。マンネングサは、漢字では万年草となり、いつでもあるという意味です。茎が細いので繊細なイメージですが、万年草の名のとおり、雪が積もるようなところでも平気で生きていける剛健さも持ち合わせています
品種によっては寒い季節に紅葉するため、とても観賞価値の高い植物でもあります。

セダムの種類

セダムは草丈数センチ、葉の大きさが数ミリのものから、草丈が60センチを超える大型の品種までさまざまです。また、葉の形状も肉厚の円形から、棒状、卵型などがあり、品種ごとの特徴の変化が楽しい植物です。
代表的なものをいくつかご紹介します。

モリムラマンネングサ

草丈数センチ、葉の大きさは数ミリ程度の小さな品種で、茎を伸ばして匍匐し、マット状に広がっていきます。帰化植物として日本各地に自生し、もっとも身近な野生のセダムといえます。剛健でよく増えるため、グランドカバーにもなります。鉢植えにしても姿が可愛らしく、用途の幅広い植物です。

虹の玉

光沢のあるゼリービーンズのような葉が、夏場は緑ですが秋から冬は紅葉してまったく違う品種のようになります。とても美しい品種で、寄せ植えなどによく利用されますが、暑さ寒さにも強いため、地域によっては地植えしても大丈夫です。

八千代

粉をふいた緑色の棒状の葉がバナナの房のように付く可愛らしい姿が特徴です。紅葉すると葉の先端が濃いピンク色に変わります。成長すると下葉が落ちて、茎が木化し、ヤシの木のような姿になるのも面白いです。

乙女心

虹の玉に似ていますが、葉に光沢がなく、全体的に白い粉をふいたようになっているのが特徴です。多少蒸れには弱いですが、暑さ寒さにもよく耐え、容易に増やすこともできるので、寄せ植えに向きます。寒くなってくると丸い葉先から紅葉します。

スプリングワンダー

直径1~2センチ程度のロゼットを枝分かれさせながら増えていく品種で、全体的に産毛が生えています。葉は緑色で赤っぽい縁取りがありますが、紅葉すると株全体が濃いピンク色に変わっていくのも特徴的です。

セダムの育て方

水やり

セダムは世界中に分布しており、原産地の環境によって多少の違いはあるものの、おおむね春秋型の多肉植物と考えて大丈夫です。育成期が春と秋になるため、この時期は土が乾いたらたっぷりと水を与えます。
多くのセダムは蒸れに弱いため、夏場は水やりを控えるのが原則ですが、小さな葉の品種については、葉に貯められる水の量が少ないため、水切れすると下の方から葉が枯れていきます。そのため葉の小さな品種に関しては、夏でもあまり水を切らさない方が調子がいいようです。ただし、やはり蒸れには弱いので、できるだけ風通しの良いところに置き、上からではなく土に水を与えるようにしましょう。上から水を与えると、葉の間などに残った水の温度が上がって蒸れやすくなります。また、水やりは夕方以降、気温が下がってくる時期を見計らって行いましょう。
冬は夏よりも水やりをひかえます。セダムは比較的寒さに強い多肉植物ですが、水やりをひかえることで耐寒性が上がります。最低気温が10度を下回るようになってきたら徐々に水やりの回数を減らし、最低気温が0度近くなるころにはほぼ断水してかまいません。品種によっては霜に当たっても雪が積もっても枯れませんが、頻繁に水をやると土が凍ってしまいます。そうなると根が凍って枯れてしまうことがあるので、寒さに強い品種でも冬は水やりを減らす方がよいでしょう。

肥料

セダムは小型のタイプと大型のタイプがありますが、どちらも多肥は好みません。鉢植えの場合は植えつける際に緩効性の固形肥料を混ぜ込んでおけば、次の植え替えまで追肥しなくても問題ありません。
地植えする場合でも、有機質の多い土よりも、砂や礫を含んだ水はけのよい土を好むので、赤玉土や鹿沼土などを混ぜ込んで水はけを良くしてから植えつけます。植えつける際に緩効性の固形肥料を少量混ぜ込む程度で、特に追肥は必要ありません。
春と秋に、薄めた液肥を与えるとよく育ちますが、なければないでもよく育ちます。肥料を与えすぎると徒長しやすくなるので、多肥にするくらいなら与えない方が健康かもしれません。

セダムの日常のお手入れ

日当たり

セダムはどの品種も日当たりの良いところを好みます。小型の品種については、真夏の直射日光に当たるとカリカリに乾いてしまう場合もあるので、梅雨明けから9月頃までは反日陰や明るい日陰に移動させた方が無難です。大型の品種などは、葉焼けしても枯れることはありませんが、見栄えが悪くなるので、こちらもやはり真夏の直射日光は避けておきましょう。

風通し

セダムは育成に適した温度が0~25度程度ですが、0度以下になったり30度以上になっても完全に枯れてしまうほどではありません。ただ、蒸れには弱いため、風通しにはいつも注意しておきましょう。
梅雨入りから9月いっぱいくらいまでは、風通しが悪いと葉が溶けてきますので、土だけで出なく、株の間などにも気を配りましょう。特にモリムラマンネングサなど、小型の品種で小さな葉が込み合って茂るものについては、株の間の風通しが悪くなりやすくなるので注意が必要です。

植え替え

セダムを鉢植えにする場合、株や鉢の大きさにもよりますが、2~3年ほどで根が詰まってくるので植え替えが必要になります。水を与えたときに、底から出てくるまでに時間がかかるようになったり、吸い込みが悪くなったら植え替えのサインです。大きくなる品種は鉢から抜いて、古い土や痛んだ根を整理して植え直せば大丈夫ですが、小さな品種は根も細かいため、植え替えというよりちぎってばらまいておき、新たな株を育てていく方が簡単です。

セダムの増やし方

葉挿し

セダムもほかの多肉植物と同様に、葉挿しで増やすことができます。葉挿しは品種によって成功率が変わりますので、お手持ちの品種が葉挿しに向いているかどうか、よく調べてから行うようにしましょう。
大型の品種で葉が外れやすいものは葉挿しの成功率も高く、○○マンネングサという名前の品種は、小型で茎が細く、葉が外れにくいので葉挿しには不向きと思っておきましょう。
葉をつまんで軽くひねってやると、簡単に外れるので、あとは根が出るまであまり日の当たらない場所に転がしておきます。
根が出たら根の部分が埋まるように土に植え付けます。土に植え付けたら、水やりを開始して親株と同じ管理にしてかまいませんが、小さいうちは水切れしやすいので、株が充実してくるまでは親株より水やりの頻度を増やします。

挿し芽

セダムは葉挿しよりもさし芽の方が簡単にできます。虹の玉や乙女心など、比較的大きくなる品種は、成長すると枝分かれするので、適当な枝を清潔なハサミなどで切り取り、切り口を乾かしてから土に挿しておくと、数週間から1ヶ月程度で発根してきます。特に難しい技術も特別な管理も必要ありません。春や秋などの育成期であれば、適当に切って適当に挿すだけで、切り口を乾かす手間すら省いても失敗は少ないです。
モリムラマンネングサやマルバマンネングサなどの小型の品種は、わざわざ切って土に挿さなくても、ひとつかみちぎりとって、土の上に撒いておけば勝手に根が出て勝手に増えていきます。そのため地植えすると勝手に増えてしまうので、広がりすぎて困る場合は、板やブロックなどで囲っておく必要があります。

実生

セダムは基本的には葉挿しや挿し芽で増やしますが、ネットで探すといくつかの品種は種が流通しています。種は1ミリに満たないごく微細な種のため、扱いには注意が必要です。ご自身で育てているセダムも、花後の花柄をほぐしてみると、中に種が入っていることがあるので、自家採取の種での実生も可能です。
湿った土の上にばらまいて湿度を保っておくと、数日から数週間で発芽してきます。発芽後もしばらくは腰水で管理し、湿度を切らさないようにしておきます。発芽後しばらくは小さな芽なので、水切れや温度変化に弱いです。親と同じ姿になるまでは植え替えない方が無難です。

セダムの寄せ植え

セダムは丈夫で育てやすいため、ほかに多肉植物と一緒に寄せ植えにしやすいです。品種によって背の高さが違うので、主役として寄せ植えに中心に据えたり、わき役として隙間を埋めたり、様々な用途で活躍できます。
セダムだけを何種類も寄せ植えにするのもとても美しいものです、「ちまちま寄せ」で検索すると、様々な画像が出てくると思います。さし芽で簡単に増やせるため、たくさんの種類を少しずつ挿して、カラフルなセダムだけの寄せ植えを作るのも楽しいものです。「ネルソル」という水で練って固まる土を使うと、ドーム状に仕立てたり、傾斜のあるところに植えたりもできるので、一風変わった寄せ植えも楽しめます。

まとめ

セダムは最も身近な多肉植物のひとつです。普段意識しないだけで、近所の庭や歩道の隅などにひっそり自生している姿を見つけることができるはずです。自生しているものは、当然その土地の気候で四季を過ごせるので、地植えにも耐えられます。
セダムは様々な品種があって、どれも見た目のかわいらしさとは裏腹に、とても丈夫なものが多いです。暑さや寒さにもよく耐え、寒くなると紅葉するものも多いので、一年を通して楽しめます。単体でも寄せ植えでも見栄えがよく、グランドカバーとして地植えにできる品種も多いので、お住まいの地域や環境に応じていろいろな楽しみ方ができるのも大きなメリットです。多肉植物初心者の方は、まずはセダムから始めてみてはいかがでしょうか?

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