群生する紫の肉団子!スルコレブチア・ラウシーの育て方

スルコレブチア・ラウシーの基本情報

分類:サボテン科スルコレブチア属
学名:Sulcorebutia rauschii
原産地:南米ボリビア(スクレ近郊)

スルコレブチア・ラウシーの特徴

スルコレブチア・ラウシーは、とても可愛らしく、くにゅくにゅしていて、しかもトゲというには気が引けるほど、非常に短いトゲを肌に張り付かせるようにまとっていて、触れても全く痛くありません。肌はほんのりざらついていますが、しっとりとしていて、いかにもたくさんの水分を蓄えている印象です。トゲの部分を逆なでしてもちょっとひっかかる程度で、まず痛いほど刺さることはなく、人を傷つけない良いサボテンです。

スルコレブチア・ラウシーの最大の特徴は、子吹きして群生するところではないでしょうか。ひとつの球はそれほど大きくなりませんが、ボコボコと子吹きしながら群生していく様は、何かの生き物のようでもあります。集合体恐怖症の方はこういうのは苦手かもしれませんね。大きな群生になると、それぞれの株が互いにくっつきあって、大仏の頭のようになっていることもあります。

スルコレブチア・ラウシーは、紫や緑などカラーバリエーションがあります。そもそも紫色のサボテンというのも珍しいかと思いますが、環境や育て方によっては、とても鮮やかな紫色になり、おおよそサボテンとは思えない色になるものもあります。緑ラウシーは、刺座が黒っぽいため、灰色がかった緑色の肌に黒い斑点が付いているようにも見えます。

スルコレブチア・ラウシーは、ボリビアの主要都市であるスクレ近郊の標高3000メートルを超える高山地域に自生しています。そのためサボテンとしては寒さにはとても強く、マイナス5度程度までは耐えられるといいます。寒冷地や豪雪地帯を除けば、雨や雪に当たらない軒下などに置いて、屋外で越冬することも可能です。
株が成熟してくると、初夏のころにほんのり紫がかった赤い大きな花を咲かせます。この花の美しさも、スルコレブチア・ラウシーの大きな特徴といえます。花色は株の色によって違い、黄色い花を咲かせるものもあるようです。

スルコレブチア・ラウシーの育て方

用土

水はけの良い土を好みます。市販のサボテン用の用土でかまいません。

水やり

大きな塊根を作る性質があるので、乾燥には強いです。年間を通して乾燥気味に管理してください。真夏と真冬は水やりの間隔を空け、いつもより乾かし気味にします。

肥料

春と秋にごく薄めた液肥を与えています。真夏と真冬は育成が緩慢なので、肥料は不要です。植え付ける際に緩効性の固形肥料を混ぜ込んでおいても良いでしょう。

置き場所

蒸れに弱いので、極力風通しの良い場所に置いてください。自生地は雨の少ない地域なので、よく日に当てて管理しますが、真夏の直射日光は強すぎるので、7月中旬から9月上旬ころまでは少し遮光しています。

夏の管理

自生地は雨季と乾季に分かれ、夏は雨季になります。気温が10度前後から25度前後と、夏のわりには涼しい陽気です。丘陵地帯の岩場などに自生しているため、乾燥には強く蒸れには弱いです。日本の夏は高温多湿のため、この蒸し暑さをどう乗り切るかがラウシーを育てるポイントです。

風通しのよいところというのは、閉鎖空間ではなく、風が吹けばちゃんと風に当たれる場所ということです。たとえば周囲に壁や背の高い鉢などが並んでいると、当然それらが風を遮るため、株の周辺に湿気がこもります。これが風通しの悪い状態です。
多肉植物やサボテンは、過湿に弱く、風通しの良い場所を好むため、複数をまとめておく場合、それぞれの背の高さや鉢の高さを揃えましょう。それだけでもだいぶ風通しがよくなります。
植え付ける際は、なるべく鉢の高さギリギリまで土を入れ、株元が鉢の上に出るように調整すると、さらに風通しがよくなります。

スルコレブチア・ラウシーは、太陽が大好きなサボテンですが、自生地に比べると日本の夏は気温が高く日差しが強すぎるため、真夏は若干遮光した方が肌艶が良いようです。ただ、あまり遮光しすぎると徒長するので、20~30パーセントを目安に遮光しましょう。
水やりの頻度は月に1~2回程度で、株の状態を見ながら行っています。スルコレブチア・ラウシーは大きな塊根を作るので、乾燥には強いようです。置いてある環境、植えてある鉢の大きさや土の保水性、排水性によっても水やりのタイミングは違ってくるので、土が完全に乾ききった状態をよく覚えておきましょう。

色々な種類のサボテンや多肉植物を同じ環境に置いていますが、なぜかラウシーだけナメクジに食われる被害に遭いました。一度だけなので、たまたまそうだっただけかしれませんが、念のため梅雨入りの頃から真夏までのジメジメした時期はご注意ください。

冬の管理

スルコレブチア・ラウシーは、日によっては氷点下まで気温が下がるような高山地域に自生しているため、サボテンの中では比較的寒さに強いです。自生地の冬は乾季にあたり、数か月間ほとんど雨は降りません。そのため冬は春や秋よりも乾燥気味に管理します。
大きな塊根があるためある程度の乾燥には耐えますが、完全断水は細根を痛めるので、ある程度の水やりは必要です。

冬場は加温してない簡易型のビニールハウスに入れて、日の当たるところに置いていますが、深夜から早朝にかけては氷点下まで温度が下がることがあります。それでも調子を崩すことなく春までよく我慢してくれています。
月に1~2回は暖かくなりそうな午前中に少量の水を与えていますが、肥料は与えません寒さに当てることで花芽が分化するようなので、積極的に寒さには当てるようにしています。

まだ小さな株や、寒冷地、豪雪地帯では室内に取り込んで越冬させた方が無難です。エアコンの風が直接吹き付けるような場所だと乾燥しすぎてしまうので、窓際の良く日の当たる場所で、エアコンの風が当たらない5度以上の温度が維持できる場所に置きます。寒冷地では窓際の温度が、深夜や早朝は外気温とほぼ変わらなくなってしまうので、寝る前に部屋の中央に移動させ、あまり強い寒さに当てないようにしましょう。

スルコレブチア・ラウシーの増やし方

実生で増やす

スルコレブチア・ラウシーは、自家受粉しないとされています。それでも何度か人工授粉を試してみましたが、やはり結実には至りません。他家受粉はするので、異なるふた株をお持ちの方は人工授粉で種が取れると思います。ネット上では種も販売されているので、どうしてもという方は、そういった種子を購入して試してみるのも良いでしょう。ただ、ラウシーは親株の周囲から子株を吹いて群生するので、子株を外して増やす方が、実生するよりも簡単で確実です。それでも実生してみたくなるのがサボテン好きの宿命です。

子株から増やす

スルコレブチア・ラウシーは、親株の周囲に子株を生じて群生します。ラウシーを増やす場合は、この子株を外して株分けします。親株を抜いたときに、一番外側にあるものについては、根が出ている場合があるので、この根が出ているものを切り離してやるのが一番失敗が少ないやり方です。根が付いた子株を清潔なカッターなどで親株から切り離し、切り口が完全に乾ききるまでよく乾燥させてから土に植え付けます。このとき切り口の乾燥があまいと、そこから雑菌が入って腐ったり、カビが生えたりしますので、切り口はしっかり乾かしましょう。
あまり小さな子株の場合、植え付けてからの成長がとても遅いので、少なくとも2センチ程度まで育った子株を利用するようにしましょう。

根が付いていない子株を挿し木して増やすことも可能です。親株の周囲に出ている子株は、指でつまんでねじってやると、比較的簡単に外れます。これも切り口がよく乾燥するまで転がしておいて、切り口が完全に乾ききってから土に挿しておくと、数週間から1ヶ月程度で発根してきます。これは株分けよりもさらに成長が遅いようなので、じっくり育てていきましょう。
ネットなどではこの方法は成功率が低いと書いてあるところもありますが、いまのところこの方法で失敗したことはないので、成功率はそれほど低くないように思います。おそらく子株を挿す環境にもよると思いますが、春や秋の育成期に行い、発根するまでは水をやらないようにします。そのためある程度成長した子株でないと、途中で水分がなくなって枯れてしまいます。直径が2センチ程度のものなら問題ないかと思います。

まとめ

スルコレブチア・ラウシーは、トゲも小さく痛くないうえ、丈夫で育てやすいので、サボテン初心者の方にも扱いやすい品種かと思います。成長は遅いですが、じっくり育てていけば花も楽しめますし、子吹きして群生する姿も見応えがあります。流通数はそれほど多くないようですが、紫色のサボテンはそう多くはないので、見つけたらぜひ手に取って見てください。

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